ヤクルト:中央研究所に研究棟4棟を新設
2012.05.01
ヤクルト本社は、中央研究所の敷地を拡張し、最新鋭の研究設備を備えた研究棟4棟(研究管理棟、医薬品・化粧品研究棟、品質・技術開発棟、基礎研究棟)を新たに建築する。約240億円を投じて2012年10月に着工し、創業80周年となる2015年10月末の完成を目指す。同社は1967年、東京都国立市谷保にプロバイオティクス研究の拠点として中央研究所を設立している。
その後の2006年から2010年に、食品素材から商品化までの一貫した研究開発機能などを備える、新しい「食品研究棟」を建築している。腸内フローラやプロバイオティクスなどの基礎研究および食品、医薬品、化粧品の商品化研究で、今後も世界トップレベルの研究開発力と技術力を有していくために、老朽化した研究施設を建て替えるものだ。
中央研究所に研究棟4棟を新設するほか、最新鋭の設備・研究機器の設置など研究環境の整備を行う。これにより、グローバルな研究開発競争に打ち勝つ世界トップレベルの研究開発拠点を完成させ、科学技術の振興や社会の発展に寄与していく考えである。研究所敷地は、北側が緑に覆われたハケ(崖の連なり)、南側が水路に囲まれている。周辺環境との調和に十分配慮し、環境対応に優れた「森と水の中の研究所」を実現することで、コーポーレートスローガン「人も地球も健康に」を具現化するものだ。
国際的な研究発表の場としての「国際会議場」や創始者の代田稔氏の業績とその歩みを展示する「代田記念館」など"見せる"施設や、医薬品・化粧品研究棟では、新規抗がん剤、副作用を伴わない抗がん剤の開発と商品化を行う。乳酸菌を利用したヤクルト独自の機能性化粧品の開発と商品化や分析事業やヤクルト容器利用水処理システムの普及を行う分析センターを併設する。
品質・技術開発棟は、食品素材などの技術開発機能と、関係会社のヤクルト薬品工業の同社機能を有する施設となる。ここでは、研究所のエネルギー設備の集中管理を行う。基礎研究棟は、腸内フローラおよび、腸管免疫学の基礎研究を行うプロバイオティクス研究の拠点として、有用な微生物の収集と保存、並びにこれら微生物の基礎研究を行う。またGLPに適合した安全性試験研究も行う。