レンゴー:放射線遮蔽シートを開発
2012.05.07
レンゴーは、日本マタイと放射線を遮蔽し線量を軽減する「放射線遮蔽シート」(特許出願済)を共同開発した。これまで放射線の遮蔽には、従来固く重い金属板が使用されてきたが、同「放射線遮蔽シート」は、熱可塑性エラストマーを素材とし、軽量かつ柔軟性に富んだフレキシブルな遮蔽材である。外部からの放射線を低減したい部屋用の遮蔽材や、除染時に発生する汚染廃棄物の仮置場での保管用カバーシートなど、幅広い用途での使用が考えられる。
日本マタイは、クラフト紙袋からポリエチレン重袋、フレキシブルコンテナバッグまでの各種粉粒体向け重量物包装を手掛けており、特にフレキシブルコンテナバッグの分野では国内最大手であり、「MAICON(マイコン)」のブランド名で世界の標準となっている。
「放射線遮蔽シート」は、高密度ゼオライト含有ファイバー「セルガイア」の応用研究などにより、放射線に関する知見を有する同社中央研究所と長年にわたる重量物向け包装と多彩な樹脂加工技術を持つ日本マタイ研究所とのコラボレーションにより開発したものだ。現在も高い空間放射線量を示す地域での実証テストを重ね特許を出願している。
同社グループは「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」GPIレンゴーとして、パッケージングで培った長年の技術とノウハウの蓄積を活かし、放射能対策の分野でも社会に貢献していく意向である。
(※)「セルガイア」とは、ゼオライトをセルロース繊維内部で高密度に結晶化させた当社開発の高機能パルプ。