アサヒグループ:味の素からカルピスを買収
2012.05.10
アサヒグループHDと味の素との間で、味の素社の100%子会社であるカルピスの発行済株式(73,93万6,871株)の全部を取得する株式売買契約を締結した。取得金額は約1200億円となり、カルピス社の全株式を取得することで、グループとしての飲料事業は、国内清涼飲料業界でシェア3位を占めることになる。すでに同グループとカルピス社とは、2001年5月の自動販売機の相互乗入れに始まり、2007年12月にはアサヒカルピスビバレッジ設立など、両社の自販機飲料事業の統合を進めてきたといえる。
同グループでは、2015年までの長期ビジョンとして「自然のめぐみを、食の感動へ。『世界品質』で信頼される企業を目指す」ことを掲げ、グローバル食品企業トップ10レベルの事業規模を目指している。飲料事業の中核であるアサヒ飲料では、同社グループ長期ビジョンに基づき2012年を最終年度とする第4次中期経営計画で、加速する市場環境の変化に瞬時に対応できる「『活力』と『逞しさ』を兼ね備えたアサヒ飲料社への成長」をビジョンに「成長戦略」と「構造改革」を推進し、早期に国内飲料市場シェア10%の達成を目指していた。
またカルピス社では、90年以上にわたり受け継がれてきた乳酸菌と発酵技術から生まれた、微生物活用技術を活かした高付加価値健康機能性飲料・食品事業や飼料事業にも取り組み、高い評価を得ている。味の素による完全子会社化以降は、国内事業の更なる磐石な収益基盤の構築と、最重点事業としての海外飲料事業の成長を目指してきたものだ。