王子製紙:バイオリファイナリーの実証・評価
2012.05.11
王子製紙グループは、米子工場(鳥取県米子市)に、「バイオリファイナリー効率的一体型連続工業プロセス」を導入し、木材に含まれるヘミセルロース、セルロースから有価物を連続的に製造する先端技術の実証、評価を実施する。同プロセスでは、木材成分を分解処理することで得られるヘミセルロース及びセルロースから、バイオリファイナリー有価物の効率的な製造を行い、余すことなく活用する実証・評価である。
ヘミセルロースを原料とするバイオリファイナリー有価物としては、フルフラール、キシロオリゴ糖、キシリトール、エタノール等があり、最初はフルフラールの製造についての実証・評価を行う。フルフラールは、石油精製の溶剤などに使用されているが今後、バイオマス由来の各種化成品原料、あるいは次世代バイオプラスチック原料として期待されている化学物質である。
またセルロースを原料とするバイオリファイナリー有価物としては、溶解パルプの製造について実証・評価を行うものだ。溶解パルプについては、実証・評価によって得られた知見に基づき、ケミカル、医療等で使用される特殊用途分野を中心とした高付加価値品への市場参入を目指す。また一般レーヨン用途については早期に製品化し、販売を行う意向である。生産可能量は9万トンで2014年1月の生産開始を予定する。