資生堂:「香油花椿」を現代風に再現
2012.05.29
資生堂は、資生堂創業140周年記念品として、現代の女性に向けた髪と肌のための香る美容オイル「香油花椿(こうゆはなつばき)」(85ml、全1品目1品種)を限定で、2012年11月21日から発売する。明治に日本髪から西洋風へシフトする中でヒットした、1898年(明治31年)発売の洋風髪油「香油花つばき」(※)を現代風に再現させたものである。
同社初となる髪と肌のための香る美容オイルで、水のようなさらさらとした質感で溶け込むように髪や肌になじむオイルである。天と地の恵みを一身に受けた白い椿と花々の包み込むような豊潤な香りが特徴である。パッケージは、発売当時のたたずまいを継承した優雅な丸いガラスびんと、ヨーロッパの文化の香り漂う紙製の美粧函である。
(※)発売当初の名前は「花かつら」で、1907年に「香油花つばき」に改名。「香油花椿」は、同社のシンボルマークである「花椿」マークの原点の1つとなった「香油花つばき」を現代に再現したもの。1872年(明治5年)日本初の西洋風調剤薬局として、福原有信が東京銀座に創業。1897年(明治30年)には、初めての化粧品「オイデルミン」を発売。当時の女性には洋風のファッションが流行し始めており、ヘアスタイルも日本髪から西洋風へシフトしていた。
その時流を捉えて生まれたのが、髪に着目した整髪油、資生堂水油「花かつら」(のちに「香油花つばき」と改名)。当時最先端の西洋の商品に学び、新しい髪形に適したみずみずしい使用性で、上質に香る"束髪(そくはつ)"整髪用の油だった。
容器は、下ぶくれで台座つきの優雅なガラスびんに、椿の花びらを思わせる形に流れるような欧文書体のレーベル(ラベル)仕様で、オイデルミン同様に「良い」を意味するギリシャ語の(EU)から名を受け、欧文名「EUTHRIXINE(オイトリキシン)」が描かれていた。欧風の華やかさと美しさを持ち、後にその名を「香油花つばき」に改名してもな大変な人気を博したことから、資生堂が"花椿"をシンボルマークに制定した理由の1つとなった。