ブリヂストン：味の素とバイオマス由来の合成ゴムを共同開発
2012.06.01
ブリヂストンは、タイヤ用合成ゴムの共同開発を行っている味の素から、バイオマスから生成したイソプレン（※）の提供を受け、合成ゴム（高シスポリイソプレン＝IR）の重合に成功した。世界の自動車保有台数の増加に伴い、タイヤ需要の拡大が見込まれる中、持続可能な社会を構築するために、資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に寄与する技術や、ビジネスモデルの開発を推進していく意向である。
同社グループは現在、2050年を見据えた「100％サステナブルマテリアル化」の実現に向けて、様々な取り組みを行っている。原油由来のIRは市場での供給量が限られており、持続可能な原材料調達に向けて、再生可能な資源から原材料を調達する方法を探ってきたものだ。
今回、重合に成功したIRは、世界最先端の発酵技術を持つ味の素がバイオマスから生成したイソプレンを使用しており、同社が目指す持続可能な社会の実現に大きく貢献することができる。このIRはバイオマス由来のイソプレンを同社独自の重合触媒技術を用いて反応させており、IRに求められる実用的な性能を満足することも確認できている。
IRは天然ゴムの一部を置換することができるため、バイオマス由来のIRは原材料多様化の手段として期待されている。同社は今後、IR生成技術の進捗に併せてゴム物性の確認を進め、重合触媒技術をさらに高めることで、より高機能なIRの開発を目指していく考えある。同社グループは、「天然ゴム」だけでなく「合成ゴム」でも様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提に、新たに投入する資源はサステナブルであるべきと考えている。
（※）合成ゴム（IR）の原料。常温では揮発性の高い無色の液体。イソプレンを化学反応させて合成ゴムをつくる。
