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ハイデルベルグ:中国の青浦工場が成長を牽引

2012.08.10

n_20120810_03.jpg ハイデルベルグ社は2011年9月、上海近郊にある青浦に第3 工場を竣工し、生産エリアを約4万5000平方メートルに拡張した。現在、同工場では標準仕様のオフセット印刷機と折り機を製造している。中国は、同社にとって今や単独で世界最大の市場となっており、同青浦工場の拡充により、中国の潜在的な可能性を掘り起こすと同時に、中国市場での揺るぎない地位を確立できたとの認識を示す。
 青浦工場では、2005年の設立からこれまでで合計で750台以上のスピードマスター「SM52-4」、ハイパイルデリバリ付きのスピードマスター「SM74-4」、そしてスピードマスター「CD102」を出荷している。2012年1月には100台目の「CD102」が納入された。スタール折り機「KHC66/78」も、700台以上の販売実績を持ち、中国のみならずアジア太平洋地域の成長市場や南アフリカに向けた印刷機(菊四裁および菊半裁サイズ)の輸出も増加している。
 現在の輸出比率は全体の約10%だが、この数値は伸び続けており、特にオーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、タイ、シンガポールには「SM74-4」や「SM52-4」が多数輸出されている。これらの印刷機は、卓越したコストパフォーマンス、高い信頼性と印刷品質、そして充実したサービスにより、各国の顧客から高く評価されている。
 同社の取締役会メンバーで製品担当のシュテファン・プレンツは「今では中国で販売しているハイデルベルグ機の3台に1台が、青浦工場で製造されるようになりました。近隣のアジア太平洋地域や南アフリカなどへの輸出も拡大を続けています。当社では、青浦工場が持つ高い生産能力を背景に、新興市場の大きな可能性をこれからも引き出してゆくつもりです」と語っている。
 青浦工場は、ドイツのウィスロッホ、アムシュテッテン、ブランデンブルク、ライプツィヒ、ルートヴィヒスブルク、およびスロヴァキアのノヴェメストを含むハイデルベルグの生産拠点の1つで、現地での部品調達比率は徐々に上がっている。すべての生産プロセスと品質基準は同社が定めた世界標準に則る。
 同社は、欧州および日本に拠点を置く印刷機メーカーの中で、中国に自社工場を持つ唯一の企業である。現地では約500名の従業員を擁し、年間で約1000台の印刷ユニットを製造する。「CD102」は中国市場のベストセラー機であり、2010 年に青浦工場で製造を開始して以来すでに100台以上を販売している。最近では旭日源印刷で「CD102」の4色機が稼動に入った。
 当初、最高経営責任者であるWang Zhen氏は、中国製印刷機の品質を疑問視していたが、要求度の高い仕事で印刷テストを行った結果、その考えが杞憂にすぎないと分かったようだ。現在、中国製の「CD102」は、ドイツ製「CD102」と何ら変わることのない柔軟性と安定性を発揮している。
 また、日本でも岐阜県の丸理印刷が、中国製の「SM74」を購入した。近年ではWeb to Printの分野にも事業を拡大しており、すでに同社の「SM102」 両面兼用印刷機、「SM52」、「SM52」アニカラーを有しており、「SM74」 についても、これまでの印刷機同様に、品質や信頼性を高く評価しているようだ。
 
〔写真〕約4万5000平方メートルの生産エリアを有する青浦工場では、現在、標準仕様のオフセット印刷機と折り機を製造。