日医工:小包装製品箱出調剤の有用性を調査
2012.08.30
日医工は、長野県上田市の上田薬剤師会と共同で、ジェネリックの小包装製品の供給に関する調査を実施(2012年7月末〜9月末まで)している。生活習慣病で長期投与される13成分を、それぞれ7日分と14日分を1つのパッケージとして箱に詰め、保険薬局ではそのまま開封せずに患者に調剤するというものだ。
箱出し調剤は欧米では一般的だが、日本ではあまり見られない。今回の共同調査によって、保険薬局での業務効率や医療安全などの有用性を検証し、ジェネリックの使用促進議論の一助にする狙いである。共同調査用に小包装製品を新たに製造し、医薬品卸を通じて15の調査協力保険薬局に供給する。
上田薬剤師会では、小包装製品を用いることで、1)業務時間がどのように変化するか、2)患者への説明時間の変化と患者の満足度などを調査する。解析は同調査を企画した名城大薬学部教授の坂巻弘之氏らが行う。小包装製品は、患者が服用するまで開封されないため、湿気や光の影響を受けにくく、開封までの品質向上が期待できる。
また薬剤師の業務が効率化され、調剤にかかる時間を短縮できるとともに、問題が発生した場合には包装単位での追跡ができる。これにより調剤ミスなどが減ることが期待される。特にジェネリックは銘柄変更がなされることが多いことから、在庫負担軽減につながる可能性も大きい。