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ニュースフラッシュ

凸版印刷:10%のバイオマス比率の軟包装材

2012.09.26

 凸版印刷は、バイオマスプラスチックを使用した「BIOAXX(バイオアクス)」シリーズの新製品として、厚さ40?m以下のバイオマスポリエチレンフィルムを使用したラミネート包装材を開発した。食品や医薬品など向けの軟包装材として、2013年春からの量産を目指す。2015年度にはその関連受注を含め、30億円の売上を目指す。
 厚さ40?m以下のバイオマスPEを日本で初めて使用したラミネート包装材で、従来と異なるラミネート技術を用いることで実現したものだ。植物由来の原料を使用しながら、シール強度やラミネート強度など各種物性で、石油由来の従来製品と同等の性能を保持する。
 バイオマスプラスチックは、植物由来の原料を用いた、持続的利用ができる再生可能資源である。石油など化石資源の使用量を削減できるため、持続可能な社会形成に貢献できる。石油由来のプラスチックに比べてCO2排出量を削減することができる、環境に配慮した材料として注目されている。
 同社は、「地球温暖化防止」および「石油使用量削減」に向けた取り組みの1つとして、1991年からバイオマスプラスチックを使用した包装材の開発、商品化に取り組んでいる。2011年に厚さ100?m以上のバイオマスPEを使用したラミネート包装材を日本で初めて開発し、すでにトイレタリー製品の詰め替えスタンディングパウチなど液体向けの軟包装材として実用化されている。
 従来のバイオマスPEを用いたラミネート包装材は、接着剤を用いてフィルムを貼り合わせるドライラミネート方式を用いて製造されていた。今回は、基材フィルムの片面に溶融したPEを薄くコーティングする押出ラミネート技術を用い、バイオマスPEでの技術確立ができたことで、40?m以下の薄さを実現したものである。
 これにより、最低でも10%程度のバイオマス比率を持つ軟包装材の開発ができる。シール強度、ラミネート強度など各種物性では従来品と同程度の品質を保持している。「BIOAXX」シリーズをプラスチック成形品やプラスチックカードなど、他ジャンルへの展開を推進していく考えである。