味の素:インドネシアに風味調味料工場を新設
2012.09.19
味の素の連結子会社のインドネシア味の素社(P.T. Ajinomoto Indonesia)は約35億円(3823億インドネシアルピア)を投じ、インドネシアジャワ島西部のカラワン工業団地に風味調味料「Masako(マサコ)」の工場を新設する。2012年9月に稼動の予定で、急成長を続けるインドネシアの風味調味料市場に対応するものだ。
インドネシアの「Masako」、タイの「Ros Dee(ロッディー)」、ベトナムの「Aji-ngon(アジゴン)」などは、日本の「ほんだし」に相当するもので、各国の各種家庭料理で手軽に使用できる調味料である。現在、「Masako」はジャワ島東部のモジョケルト工場で生産しているが、今後の需要増に備えて新工場を設立するものだ。
これにより、安定的に商品を提供することが可能となり、かつモジョケルト工場とあわせ、販売の5割強を占めるインドネシア西部の供給拠点として、効率よく供給できる生産体制を構築する。
インドネシア経済は人口増加(約2.3億人、2010年、国連推計)と内需拡大により堅調に拡大しており、今後も成長が見込まれている。同社は1969年から、調味料などを製造・販売し、インドネシアでの事業展開は40年以上の歴史がある。今では同グループの中で、主力地域であるアジアの中心的役割を果たしている。
インドネシアの風味調味料市場は、経済発展に伴う生活水準の向上に支えられて急成長を続けており、7万1000トン(2011年度当社推計、前年比112%)と順調に拡大している。
「Masako」は1989年の発売以来、鶏や牛などの肉の風味を楽しむことができる調味料として、インドネシアの家庭で幅広く使用されている。年率15%程度で継続的に成長しており、すでに60%強のトップシェアを誇る。
同社の海外風味調味料事業は、海外コンシューマーフーズの売上高1835億円の35%を占め、インドネシア、タイは2桁成長している。2011〜13年中期経営計画では、確かなグローバルカンパニーとなるため、海外コンシューマーフーズ事業の強化・伸長を基本方針に掲げている。
今回の生産設備の増強により、インドネシアでのさらなる事業拡大を図るとともに、中東・北アフリカなどのイスラム圏への供給基地として位置づけていく考えである。
(※)風味調味料とは肉、魚、野菜などのエキスにスパイス等の香辛料、塩・砂糖、うま味調味料などがブレンドされた、スープ、煮込み料理、炒め物、下味付けなど幅広いメニュー・用途に使用される汎用調味料。