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ニュースフラッシュ

《ヨーロッパ包装動向》欧州包装NEWS 2012年冬号より

2012.12.03

「欧州包装NEWS」2012年4号より(メッセデュセルドルフ・ジャパン)
 
◎製品コンポのサイズダウン
 欧州の経済危機がリテール業界を経由し、包装産業に影響を与えている。余剰金が縮小し、買い物に使える金額が少なくなっていることを背景に、特に南欧の消費者がより小さい包装サイズを求めつつある。現時点のスペインの一般消費者が、1回の買い物に使う金額がわずか17ユーロ(約1800円に相当)まで減っている。
 対策として新しい(より小さい)包装を導入して品物を販売し始めた。たとえば、オランダに本社があるユニリーバ社はスペインの消費者をターゲットに、洗剤の包装サイズを5回分の洗濯ができる量に切り替えた。同社はギリシアにで、オリーブ油などの基本食品販売のため低価格ブランドを作り出した。
 ネスレ社はギリシアで、コンソメの粉をワンキューブサイズで販売を開始した。サイズの小型化は1つであり、もう1つは価格である。環境配慮にも関わるが、包装材を薄く、軽くすることでコスト削減に貢献する。
(出典:2012年9月10日付けHandelsblatt誌、2012年8月27日付けTelegraph誌)
 
包装によって食料廃棄縮小
 食料廃棄は欧州でも重要な問題である。前回の「interpack 2011」は、食料廃棄を1つのテーマに、国連のFAOと協力して「Save Food」イニシアティブを発足させ、「世界の食料ロスと食料廃棄」の報告書を開催期間中に紹介した。その報告書の日本語版が国際連合食糧農業機関の日本事務所によって公表された。
 専門家によれば、EU内の食料廃棄が毎年7100万トンにのぼるそうである。英国だけでも、毎年700万トンの食料が捨てられており、英国の調査機関でもあるWRAPによれば、包装が食料の浪費を防ぐために重要な役割を果たしている。特に効率的なものとして挙げられる対策は、包装サイズの小型化や再密栓機能などである。
 例えば米国デュポント社は肉類を包装するために新しいホイルを開発した。肉が通常より長く新鮮に見せられるように役立つものだ。実際に中身の耐久力が10倍に上がるとのことだ。最近、ヨーロッパで話題になっているのは、発足準備中の「Foodsharing」(食料を分配する)のWebサイトである。
 このWebサイトは、個人消費者をはじめ、リテール業者などが余った食料について情報をアップし、その食料を利用したいユーザーが、情報を見て食料を取りに来れるアポイントシステムとして計画されているもの。ドイツのエコ食料品販売スーパー「Biocompany」はすでにメンバーになっている。
(出典:2012年9月10日付けHandelsblatt誌、2012年8月14日付けHandelsjournal誌)
 
ドイツの機械産業の景気は比較的安定
 欧州経済は低迷傾向が継続しているが、ドイツの機械産業の景気は外国からの受注に支えられて比較的に安定している。ドイツ機械工業連盟(VDMA)の予想によれば、ドイツ機械産業は2012年度の売上高が2090億ユーロ(約21兆円)の記録を達成する見込みである。
 しかし、第4四半期の受注が減少することが懸念されるので、この景気がいつまで続くかという不安はある。ターゲットとなる国々の中では、インドが重要な役割を果すと考えており、ドイツのメーカーがインドの包装機械輸入全体の42%のシェアをもち、1位の地位を確保している。
(出典:2012年11月2日付けFAZ誌、2012年10月31日付けHandelsblatt誌、2012年9月7日付けNachrichten für Außenhandel誌)