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愛媛県みかん研究所:高級かんきつ種の鮮度保持包材を開発

2013.01.14

n_20130114_01.jpg 愛媛県みかん研究所は、特産の高級かんきつ品種「紅まどんな」などの鮮度を保持技術の開発を進めている。通常1ヵ月ほどの鮮度の期限を延ばすことで、廃棄ロスや販売チャンスの拡大につなげたい考えである。他のかんきつでは、すでに鮮度機能を有する特殊なフィルム包材を用いており、3ヵ月まで延ばす技術を確立している。これを「紅まどんな」などの3品に応用し、2013〜14年度で実用化を目指す意向である。
 同3品は、ゼリーのような食感で濃厚な味わいの「紅まどんな」と、しっかりした果肉で食べ応えのある「甘平(かんぺい)」、上品な甘さと香りが特長の「せとか」である。「紅まどんな」と「甘平」は同県が開発した品種で、生産は県内のみだが、「せとか」は2割を県外で作っている。いずれも高級種で贈答用として人気が高いものだが、果皮が薄くて萎れやすい。
 かんきつ類は収穫後から、酸素を取り入れて二酸化炭素を出す「呼吸」を行う。その過程では糖を消費するために味が落ち、同時に生成するエチレンガスで果皮がしなびる。この呼吸を抑えるため2009年度から、かんきつをくるむ鮮度フィルムを包材メーカーと共同開発している。
 またエチレンの生成を抑える、植物から抽出した天然の食品保存料も共同開発した。実験では、他県で栽培されているかんきつ品種の「清見」を対象に、食品保存料を塗布したフィルムで包装して低温で保存すると、鮮度は3ヵ月まで延ばすことができたというものだ。
 2013年度から「紅まどんな」などの3種に、それぞれの呼吸量に合うようフィルムを改良している。今後は、さらにエチレンを吸着するシートの開発を行っいく考えである。