カゴメ:植物工場を手掛けるグランパに出資
2013.05.29
カゴメは2013年5月24日に、植物工場の開発と運営を手掛けるグランパに3億100万円を出資し、相互連携することに合意したことを発表した。グランパは、担い手となる農業者の不足や農産物の数量や価格変動などの問題を抱える農業分野で、ドーム型植物工場「グランパドーム」を独自に開発し、円形水槽の自動スペーシングシステムによる安全安心な葉菜類の高効率生産に取り組んでいる。
「グランパドーム」の施設製造・販売に加え、リーフレタスをはじめとする農産物及び同加工品(カット野菜)の生産・販売事業も手掛けており、国内外で新たな農業ビジネスモデルとして注目されている。同社は、国内では園芸農業の技術や経営を担う人材育成を通じて、安定した農業経営体を構築すること、海外では日本発の農業モデルを輸出産業にすることを目指している。
今回の出資により、同社が生鮮トマト事業で確立してきた大規模施設園芸の栽培技術とグランパのノウハウを融合し、日本での農業の成長産業化を目指すものだ。両社が持つ栽培技術の情報を共有することで、ドームでの栽培期間の短縮、環境制御高度化による単位収量の増加、生育品目の拡大等を進め、生産野菜の原価低減を目指し、売上の拡大を図りたい考えである。
同社ではまた需給調整機能の活用可能性を検証し、効率的な受発注の仕組みを作ることで販売ロスの削減にもつなげたい考えである。1899年の創業以来、トマト栽培を通じて長きに渡り農業振興に携わり、1998年からは大規模な施設園芸で行う生鮮トマト事業に取り組んでいる。
同事業での2012年度の売上は、過去最高の89億円を達成している。また2013年で発売80周年となるトマトジュースは、原材料となる加工用トマトの全量国産化を目指しており、国内での契約農家での栽培拡大を積極的に推進している。2013年4月からは、農の新たな価値と事業を開発する「農カンパニー」を社内で立ち上げ、「農」からの価値を創造する事業展開を目指している。