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ニュースフラッシュ

ストラパック:創業80周年感謝の会を開催

2013.07.16

n_20130716_01.jpg 先の7月12日に都内ホテルで、下島包装開発・ストラパックグループ創業80周年を記念する「感謝の会」が開催された。国内の近代包装史を先駆け、特に物流包装を牽引してきたパイオニア企業の一つである。「梱包機」は"ニッチ"といった形容詞では表せない裾野の広い需要を持ち、その世界スタンダードを構築してきたのがストラパックである。
 80年はその歴史であるとともに、新たな時代への進みゆく"大変革"の節目でもある。同社・代表取締役社長の下島敏男氏は、挨拶の中で「下島包装開発は、縄莚などの天然の梱包材料から紙やプラスチックへと代わるとともに、梱包機『ストラパック』という機械部門に進んできました、今、私どもの業界は大変革の時代に入っています」と語る。
 
【挨拶】ストラパック株式会社
代表取締役社長 下島敏男
 
 昭和8年5月21日操業以来、私どもの会社が今年(2013年)創業80年を迎えることができたのは、何と言っても本日ご出席頂いている皆々様のお陰があったからでございます。お得意様、販売店様、仕入れ先様、協力会社様、当社を卒業された方々をはじめ社員の皆さんたちのご支援があってからで、今までのご支援に対して心から御礼を申し上げます。本当に有り難うございます。
 振り返ってみますと、色々な困難にぶつかりましたが、その都度、皆様のご支援に加えて幸運なことが積み重なって、今日ここまで来ることができました。タイの諺に「今幸せなのは、先祖が良い行いをしたから」とあるそうですが、まさに「その通りだ」と思い、日々両親をはじめ先祖に感謝しています。その幸運の幾つかを紹介させていただきます。
 その一つは"梱包機"という商品と巡り会ったことです。亡くなったある先輩が「梱包機は100年に一つあるかないかの、ものすごく恵まれた商品だ」と云われましたが、まさにその通りでした。「ニッチな商品」と言われ、大手メーカーも参入しないわりに、その裾野は意外と大きい。
 その商品の導入期から成長期を経て成熟期をも過ぎるという、ライフサイクルをすべて経験させもらっています。それも、日本の市場だけでなく、世界の市場でも経験させてもらってい、そのお陰で会社は発展し、存続しています。現在は梱包機を中心に前後左右上下に商品展開を広げているところであります。
 幸運の2つ目は、良き友人や先輩、同業の人達に巡り会えたことです。私は大学時代に体を悪くし、社会に出るのが3年ほど遅れました。そのお陰で友達が多く、困難にぶつかった時は友人や顧問の先生など、仕事関係の方以外の友たちに助けて頂きました。
 また仕事上のストレスを「写真や、登山、旅行」などの趣味や学生時代からの友人との付き合いで、心を癒してもらっております。頭はあまり良い方とは言えず、その分は大勢の方にお目に掛かって勉強をさせて頂いております。お客様や代理店様のところにできるだけ多く足を運び、日本包装機械工業会、日本包装技術協会、東京包装材料商業協同組合、日本政策金融公庫などの勉強会や懇話会などに参加をさせて頂いております。
 平成19年には「藍綬褒章」を天皇陛下からいただきましたが、これも「業界のために尽くしてきた」と言うより、自身の勉強のため、会社を善くするために、世の中の情報やマネージメントの手法を勉強するためといった方が大きいと思っています。ですから、今でも藍綬褒章をいただいたことを何か申し訳ないように感じております。
 そして3つめですが、日本人としてこの世に生まれたことは、何としても最大に幸運だと感じていることです。まだ国民小学校一年生だった、昭和16年12月8日の朝に、ラジオの臨時ニュースを布団の中で聞きした。大東亜戦争が始まりです。
 集団疎開や縁故疎開と東京を離れ家族と別れ、食糧難でひもじい毎日、シラミになやまされ、転校する度にイジメに合うなど、子どもにとっても過酷な期間でした。昭和20年8月15日、真夏のかんかん照りの中で天皇陛下の放送を聞きました。戦争に負けました。
 数週間も経つと学校に進駐軍のジープがやって来て、子どもたちの修身の教科書が集められ、校庭の真ん中にうず高く積まれ、ガソリンをその上に巻いて焼かれてしまいました。当時、日本にガソリンはほとんど無く、「ガソリンの一滴は血の一滴」という標語で、松の根っこを掘り起こし、その松根油をガソリンの代わりにしていました。
 それだけに焚書坑儒とともに二重のカルチャーショックとして強く記憶に残っています。過去に教わったことはすべて否定され、日本がすべて悪いのだと信じ込まされました。大人たちは180度違ったことを言うようになりました。それが、梱包機を輸出することになって何度か海外に行くようになり、戦後に教えられたことを、疑問に思うことが多くなりました。
 そこで、あらためて日本を見直すようになり、今では日本に国に生まれて本当に良かったと感謝しています。非科学的と笑う人もいますが、建国から2,673年、125代の天皇家を持つ世界一古い歴史を持つ国、水と緑にあふれた美しい自然、春夏秋冬の四季があり、心を大切にする独特の文化を持っています。
 1300年前には紫式部という女流作家が活躍し、今でもほとんどの家庭では財布は奥さんが握っているなど女性の役割を尊重してきた、ほんとに素晴らしい国であると思っています。それを外国に出て初めて認識しました。翻ってみると世界市場で有利に戦うことができたのは、陰に「日本」というブランドがあったからに違いありません。
 だからこそ、この日本をさらに善くして次世代に繫なげてゆかなければならないと思っています。もちろん、先立つ金や経済を無視するわけには行きません。お金がなければ理想を言っても現実できません。私たち企業人は国のためにも利益を稼がねばなりません。
 3年前に、それまで熾烈な競争を繰り広げてきたニチロ工業と一緒(2012年10月1日合併)になろうと考えたのは、日本として、これからの国際競争に勝って行かなければならないという視点からです。両社の持つ技術力、アフター、メンテナンスーサービスネットワーク、販売網などを有効に活用して、世界市場での競争に打ち勝って行きたいと思っております。
 この効果は徐々に現れています。いくつかの新しい商品を開発し、一部は普及をし始めています。まだまだ潜在的な開発力や生産能力は十分あります。新しい商品、お客様が困っていること、その解決に挑戦していくつもりです。窓口も整備致しますので、どんなことでもどんどんご相談を戴きたいと思います。
 創業80年を機に、これからは若い人たちに、今まで築いてきた色々な武器を使って世界の市場で勝ち進んでもらわなければなりません。今の取締役会は老若混ざっています、2013年役員改選になりますので、それ以降を考え、先の役員会では執行役員制を取り入れ、事業継承の準備を進めて行くことに致しました。
 執行役員として現在、サンキュー化成に行っている奧村直人くん、筑波工場で結束機事業を担当して西山くん、横濱工場の小林繁夫くん、米国ストラパックインクにいるシイロ新田麻美さんの4人にお願いをすることになりました。副社長を先頭に若い役員とともに事業を承継してもらうことになりました。皆様にも宜しくご支援下さるようお願い致します。
 感謝の会にはタイランドのナンディーさん、シンガポールや国内では北海道の釧路、札幌から南は沖縄、鹿児島と全国から大勢の方に来ていただいております。またお得意様、メーカー様、問屋様、趣味の友人や地域の方や外国の方など、色々な分野の方にも来ていただいております。
 顔見知りの方だけでなくはじめての方、是非この機会に交流を図っていただき、メーカー様や販売店様新しい関係を作られて、何かメリットになることを探しお持ち帰りいただきたいと思います。日本人はどうも初対面での会話が苦手という方が多いようです。
 ですが、どの方もストラパック・下島包装開発とは長い間親密な関係を続けさせてもらっており、それを核としてどなたも初対面ではありません。30年前の創業50周年のパーティのご縁でアントニオ古賀さんにギターと歌をお願いしています。また父・哲四郎の知人である女流講談師の神田すみれさんに司会をお願いしています。みなさん家族との思いでの「感謝の会」ですので、どうぞ楽しんでいってください。