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ニュースフラッシュ

メッセデュセルドルフ:欧州包装NEWS(2013年3号)

2013.08.23

n_20130823_01.jpg ドイツの連邦財務大臣ショイブレ氏が、ユーロを共有通貨として維持するために、最高の保障額として3100億ユーロ(現時点、約4兆306億円に相当)を上げた。これまでに提示した金額の約3倍になるものだ。こうした背景に、パッケージでは進む高齢化のニーズに応えた使いやすい容器・包装を作ることが重要なチャレンジとなっている。
 最近、ミュンヘンで開催された会議では、包装のテーマとして「ユニバーサル・デザイン」が取り上げ、その一つの重要なポイントは握りやすさだった。2013年に設立100周年を迎え、数多くの賞を獲得したドイツのEdelmannグループのソリューションは、色使いによって、蓋の位置を分かりやすくするとともに、片手で持ちながら蓋を開けられる箱を開発した。
 また、片手で開かれる容器で関心を集めているのが、ドイツの包装機械メーカーMultivacが、オーストリアのSnapsil社(スナップシル)と提携して開発した「イージーオープン」ソリューションである。
(出典:http://www.youtube.com/watch?v=NV2t9E9W2ys)
 
 もう一つの重要なポイントは安全性であり、特に薬品包装では簡単に開けることで子どもが間違えて薬の容器を開け、飲んでしまう危険性である。従って「子供に安全で、高齢者に使いやすい」ことがポイントとなる。ドイツのFaubel(ファウベル)社は、その分野に特化してCRSF=Child Resistant & Senior Friendlyとして宣伝され、多数のソリューションを開発してきた。
(出典:2013年6月7日付けNeue Verpackung誌、2013年5月14日付けEdelmann社プレス・リリース、2013年3月26日付けMultivac社プレス・リリース)
 
 ヨーロッパでは、「サステーナビリティー」がメガトレンドとして何度も取り上げられている。最新の事例では、n-Chitopackプロジェクトが挙げられる。欧州共同体の補助金を受けているこのプロジェクトは、イタリアのMAVI社がコーディネートし、キチンを包含するカニの甲羅など、現時点ではごみとしてしか扱えない物質をバイオプラスチック原料とするものだ。固いプラスチックから薄いフィルムまで、幅広い加工が可能な新素材(ポリマー)は完全に生分解性である。
(出典:2013目7月18日付けAIPIA、2013年6月7日付けNeue Verpackung誌、http://www.n-chitopack.eu)
 
 小売業界では偽物の販売が重要な問題になる可能性があり、2012年、欧州の多くの国々に発生した食料品スキャンダルはあらためてトレーサビリティーの重要性を明らかにした。食品の場合はトレーサビリティーが重要だが、薬品の場合がもっと深刻である。
欧州委員会が2011年に指令2011/62/EU を出し、2017年までに薬品包装のトレーサビリティーを確保するように求めている。2011年にドイツで設立されたイニシアティブ「SecurPharm」(仮約:医薬安全)は、完全にトレーサブルな薬品物流システムをモデル実験している。
 現時点ではドイツの21,000軒の薬局のうち、360ヵ所で新しい設備を導入し、薬品を患者に手渡す前に薬品の包装のコードをデータベースで調べ、渡す際に箱を手渡した確認でフラグをデータベースにつける。全国(あるいは、欧州28ヵ国で)の導入まではまだまだ遠い。
(出典:2013年8月16日付けFAZ誌、2013年8月15日付けhttp://www.packagingeurope.com)
 
 統一した無印のたばこ箱は、オーストラリアですでに実行されているが、ヨーロッパでも導入が考えられている。イギリス政府は導入の考えを発表したが、その前にオーストラリアでの結果を正確に研究する。最近はアイルランドの政府がタバコの箱のデザインを統一させ、タバコが原因となる病気の写真を箱に付けた上、ブランド・商品名をニュートラルな色で印刷することを求める方向である。
(出典:2013年7月25日・6月3日付けPackaktuell誌)
 
 欧州経済は少しずつながら復活して来ており、欧州統計局が発表したデータによれば、2013年第2四半期に17ヵ国の国民総生産の総額が第1四半期に比べて0.3%増加した。トップを走るのは、ドイツ(+0.7%)とフランス(+0.5%)である。
(出典:2013年8月15日付けFAZ誌)
 
 クロネスは2013年前半の好調を背景に2013年度の結果予測を上方修正した。受注量、生産性の上昇を背景に、2013年度の売上高が2012年に比較して4%増加し、28億ユーロ(現時点で、3640億円に相当)に達すると予想されている。
同社は会社の組織変更も実施し、新しい構成は3セクションからなる。
 1)現時点で、売上高の85%を占める機械製造
 2)売上高の13%を占めるプラント製造
 3)成長性が高いとみられる「ライフサイクル・サービス」
  (メインテナンス、コンサルティング、部品入れ替え)
 この新構成でクロネス社はより効率的に活動し、将来の成長を確保できると見込んでいる。
 ボッシュ・グループの包装機械部門は高い成長を示している。2012年の売上の成長が16%で、売上高が約10億ユーロ(2012年末のレートで1135億円に相当)達した。これからも強い成長が見込まれ、同社は2年間に売上高を15億ユーロまで伸すと公表した。
 成長の一つの手段は企業の買収であり、ボッシュは、PET容器の製造機械を生産していたフランスのTecsor社の資産を引き受ける計画を公表した。Tecsor社の売上高は2012年に200万ユーロ(2億2700万円に相当)であった。
(出典:2013年8月16日付け・7月26日付けFAZ誌、2013年7月16日付けHandelsblatt誌、2013年6月26日付けVerpackungsrundschau誌)
 
 ドイツの包装素材の市場が縮小している。2012年は、売上高が前年比で1.1%減少し、318億ユーロ(年末レートで3兆6089億円に相当)に達した。素材の量から判断して、紙・段ボールは48%のシェアを占めて1位だった。
 価格的には、プラスチックが41%のシェアで1位であり、素材別の減少を分析しますとガラス包装は−4%で、紙・段ボールが−2.6%、プラスチックが−1.8%であった。
(出典:2013年7月24日付けPackaktuell誌)
 
 イギリスのChesapeake社は、機関投資家「グローバル・アルターナティブ・アッセト・マネジメント」社に買収された。周知の通り、Chesapeake社は38ヵ所に生産拠点を持ち、5000人以上の従業員は主に紙・段ボール包装を生産する企業で、欧州の大手の中でも重要な企業の一つである。
 SmurfitKappa社は、2013年前半は前年同期に比較して売上高を6%程度増加し、39億ユーロ(5070億円に相当)になった。税引前利益は1億2700万ユーロ(165億円)になり、約3%の利益率アップを実現した。
(出典:2013年7月5日付けwww.print.de)
 

※http://www.messe-dus.co.jp/fileadmin/newsletters/EuroPackagingNEWS_2013.03.pdf