ハイデルベルグ:第3世代のUV LED乾燥装置
2013.09.25
ハイデルベルグ・ジャパンは、LEDを採用した新しいUV乾燥装置「DryStar(ドライスター)UV LED」を世界初公開する。2013年10月2日から東京のカスタマーケアセンターで公開し、国内販売を開始するものだ。この「DryStar UV LED」は、ハイデルベルグ印刷機の高速性を損なうことなく、高生産性と省電力化を両立した第3世代のLED乾燥装置である。
LED乾燥装置は省電力、低発熱、長寿命、オゾンレスなどすぐれた環境性能から、国内印刷市場で高い評価を得てきた。その一方で、実生産の現場では幾つかの制限があったことも事実である。第1世代製品では、LED光源と用紙間の距離に制限があり、用紙のバタツキなどが生産速度に影響した。
こうした問題は、第2世代(高エネルギー出力)ではある程度改善されたが、1)生産性を上げられない、2)LED素子の冷却にエネルギーを費やす、3)必要最低限まで照射を制限できない、4)オペレータの作業を減らせないなどの課題は残っていた。
今回発売の「DryStar UV LED」は、こうした従来機種の課題に取り組んで、開発した第3世代のLED乾燥装置である。最新の印刷機の高速性への対応はもちろん、多彩な新技術を網羅してさらなる省電力化を実現している。印刷機の制御装置であるプリネクトプレスセンターがジョブデータを認識すると、自動的にUV乾燥装置のエネルギー照射範囲を天地左右方向に最適化する。
照射量の自動制御、印刷エリアに合わせた瞬時のON/OFFまで省電力化を徹底追求した自動化装置により、電力消費量は従来比で20%減を達成している。ペレーターによる特別な操作は不要で、これまで通りのセットアップのみである。
同社は印刷機本体だけではなく、印刷機の性能を最大限に引き出す周辺装置の開発にも長年にわたって積極的に取り組んでおり、「DryStar UV」は印刷機に最適化されたハイエンドの乾燥装置として、世界中の印刷会社に導入されてきた。
UVランプの反射効率を高めるなどの装置自体の改良を重ねて、最大限のエネルギー効率を引き出す。また印刷機内部に設置された際に、空気の流れを乱すことなく照射装置と用紙の位置関係を保つことで、UV印刷でも最高速度の印刷を可能にする。
さらに環境負荷と投資コストの低減を求める市場の声に応え、高機能かつ省電力型乾燥装置である。独自技術により、高生産性を損なわない乾燥装置にこだわってきた同社が、自社ブランドとして掲げるDryStar UVのラインアップに新たに加わったのが「DryStar UV LED」である。
すでに世界で最も厳しい労働安全基準BG規格の承認を得ており、高生産性、省電力性、環境対応に加え、労働安全性も獲得した世界で唯一のLED UVシステムになっている。 「DryStar UV LED」は、スピードマスターCXシリーズとSXシリーズのUV印刷機に搭載され、今後順次XLシリーズへの拡充を進めていく考えである。