• ニュースフラッシュ
  • ワールドビュー
  • 製品情報
  • 包装関連主要企業
  • 包装未来宣言2020

トップページ > ニュースフラッシュ > サントリー:花きで世界初全ゲノム解読

ニュースフラッシュ

サントリー:花きで世界初全ゲノム解読

2013.12.18

 サントリーグローバルイノベーションセンターは、農研機構・かずさDNA研究所、東京農工大学と共同で、カーネーションの全ゲノムの解読に成功した。研究の結果は、2013年12月18日に「DNAリサーチ誌」電子版に掲載された。
 カーネーションは地中海沿岸原産のナデシコ科ナデシコ属の植物で、キク、バラと並んで世界の3大花きに数えられる。日本でも第2位の出荷本数(3.1億本、2012年)を誇る代表的な花きとして親しまれている。
 今回、新たな品種の育成とその育種の効率化を図るため、カーネーション研究で成果を上げてきた産学官の4機関が共同して、カーネーションの全ゲノム解読に取り組んだものだ。日本で生産量の多い赤色品種「フランセスコ」のゲノム解読を行った結果、推定されるカーネーションのゲノム全体6億2200万塩基対の91%の解読に成功した。
 カーネーションは約4万3千個の遺伝子をもっていることが明らかになり、その遺伝子の完全または部分構造が解明された。この結果、カーネーションの特性に関わる遺伝子配列がほとんど解読できたことになる。
 アントシアニンなどの花色に関わる色素の合成遺伝子、花持ちに関わるエチレン合成遺伝子、病害抵抗性に関わる遺伝子、花弁の展開に関わる遺伝子、花の香りに関わる遺伝子について、これまでカーネーション中には存在が知られていなかった種類のものが多数、新たに発見された。
 また、それら遺伝子の働きを制御する転写因子や、カーネーションの模様の形成に関与するトランスポゾンと呼ばれる遺伝子についても、新たな種類が多数見つかった。これにより多数の遺伝子の機能解明が大きく進むため、今後の新しい品種開発のスピードが飛躍的に向上することも期待される。
 また新しい花色を持つ品種や病虫害に強い品種、香りの良い品種など、新たな価値をもったカーネーション品種の開発に大きく貢献し、遺伝子の機能解析を進めることでは、カーネーションの花色や模様の形成機構が明らかになり、その成果がその他の花きにも活用できる。
 
(※)独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)。