《編集部発》変革は周縁から起る
2014.02.19
「定点観測」のおもしろさを知る人はどれくらいいるだろうか。近しいクリエイターの一人は一日中、店頭の様子を脇に立って観察していることがあるという。そこに発想の源もあれば、求める答えもある。まるで"学びの場"としているようでもある。
それは、けして数字には表れて来ない。自らの目と耳、肌で感じる以外にはないものである。毎年開催される「スーパーマーケット・トレードショー 2014」(2014年2月12日?14日)に足を運んだ。今回はタイミングがよいのか、つい先日の首都圏が記録的な降雪にみまわれた日であった。
まだ降りはじめで交通機関にはあまり影響がでていなかったが、それでも帰りなどを心配して足も遠のくものかと思っていた。だが会場についてみると予想に反し、すでに会場は多くの来場者で込み合っており、さらに増えてきているようだった。
質量ともに、多くの展示会が減退ぎみであることはいうまでもなく、「スーパーマーケット・トレードショー」も例外ではないはずだ。それは実感でもあり、なくなることはないにしても先ゆきに不安が感じられることもあった。それが今回は一変させられた。
天候不良を押してまで来場させるものとは何か。出展企業や内容がそれほど大きく変わっているとは言えない。むしろ、これまでと見慣れた風景だが、何とも言えない雰囲気が変った感であった。大げさにいえば、単純な過去盛況とは全く違い、出展企業だけでなく、来場者からも涌き上がる熱気である。
もちろん概しては見えないものも、ひとつ一つ丁寧に展示ブースを観て(出展社と対話して)いけば、その現象がみえて来なくなないのである。とくに新規の出展社や中小、地方企業の動き(意識)に表われているように感じた。やはり「変革は周縁から起る」とのごとく、変るのは地方からなのだろう。
それらに共通した大事なポイントは、既成概念にとらわれず、自らの感性や意思により必要なことは迷わずに進めていくという姿勢と行動である。その意味では「企業」という組織概念も足かせとなりかねず、「個」の意識で動かしてゆく強みとったものが感じられる。
「良いモノは良い」とした姿勢で、どんどん新しい考えや技術は取り込んでいくべきである。そのためのインフラは整いつつあり、しかも例えば資本といったハードルも低くなりつつある。大事なのは自らの強みを磨くことであり、その点では「小さい」ことでの優位性が光るといえよう。