日清食品:新研究所「the WAVE」開設
2014.03.05
日清食品ホールディングスは設備投資額約63億円で、東京都八王子市に日清食品グループの商品開発と安全性研究の機能を統合した研究施設を竣工し、2014年3月5日にオープンした。同施設は旧来の「食品総合研究所」「食品安全研究所」(滋賀県草津市)を移転し、約2倍の規模に拡大したものである。
名称は、それぞれ「グローバルイノベーション研究センター」「グローバル食品安全研究所」(総称「the WAVE」)と改称した。今後、世界最先端の研究施設として機能できるよう、麺を中心にした食品開発と食の安全に関する研究に取り組んでいく意向である。
世界でのインスタントラーメンの消費量は年間1000億食を超え、ますます需要が高まる中、同社グループはグローバル展開を加速している。一方、国内では、少子高齢化や消費者ニーズの多様化が進み、市場の掘り下げによる新たな需要創出が求められている。
同グループが持続的な成長を続けるためには、他社の追随を許さない優位性 (クリティカルコア)が必要であると考えているようだ。同研究所は、その最も重要な要素の一つである「技術イノベーション力」をさらに強化するべく設立したものである。
同研究所には、日清食品冷凍株式会社の「開発研究所」を業務移管したほか、菓子開発や飲料開発の機能も設けている。これにより様々な部門の技術を融合し、各分野での新規技術の創出を図りたい考えだ。また生産工場に準拠したテストプラントを導入し、商品開発から量産にいたる過程を効率化することで、発売までの期間の短縮を推進する。
外観デザインは創業の原点であるインスタントラーメンの「麺と切刃」の形をイメージしており、名称は食の先端技術を切り開きイノベーションの新しい「波動」を起こし、世界に広げたいという思いを込めた「the WAVE」としている。