• ニュースフラッシュ
  • ワールドビュー
  • 製品情報
  • 包装関連主要企業
  • 包装未来宣言2020

トップページ > ニュースフラッシュ > 「欧州包装NEWS」2014年1号

ニュースフラッシュ

「欧州包装NEWS」2014年1号

2014.04.22

●欧州包装業界のトレンド
 最近ヨーロッパで話題になり始めている機能的包装の適用事例が数多くある。例えば、触れると輝く構造箱、温度を示すフォイル、内容について情報を伝える薬品包装などが挙げられる。背景には、プリンテッド・エレクトロニックの発展があると思われる。
 その技術の先駆としてミュンヘンにあるフラウンホーファーEMFT研究所などが挙げられ、同所は超薄型のセンサー、ソーラーセル、LEDとディスプレーを柔軟なフォイルに印刷する技術を開発してきた。もう一つにトレンドは、「アクティブ・パッケージング」(活性包装)である。
 容器のコーティングによって、例えば酸素を吸収させることで中身をより長く保存することができる。ドイツのAlbis Plastic社は、活性包装素材「SHELFPLUS O2」を開発した。酸素を吸収する物質は、鉄材やソルビン酸のような化学物質がよく使われるが、最近はもっと「自然な」素材を開発する傾向が見えてきた。
 その事例を挙げると、ミュンヘン周辺にあるフランホーファーIVV研究所である。同研究所は、ベルギーとポーランドの研究機関と共同でローズマリーなどの植物から抗菌剤を開発している。
(出展:2013年11月25日付け「Verpacken-aktuell」誌、2013年11月12日付け「Verpackungsrundschau」誌、www.interpack.de、http://www.ivv.fraunhofer.de)
 
 現代のリテール業界には、消費者の注目を集めることは、売上高に最も影響力のあるファクターの1つであると言っても過言ではない。包装はそのキーとなるので、包装メーカーがさらに高級感のある包装(容器)の開発に力を注ぐ傾向がある。
 1つの事例はイギリスの会社「Pollardbox」が開発した化粧品のサンプル箱である。「グラマー」(glamour)と称する箱は段ボール製で、フォイルで加工され、独特な高級感を醸し出している。また別の事例は、スイスのHoffmann社が2013年の秋から金属の容器に3Dコーティングをつけて、オフセット印刷、仕上げ塗りとレリーフ圧印加工をコンバインする技術を開発してきたことである。
(出展:2014年4月2日・2月6日付けPackaging Europe 誌、2014年4月2日付けConverter.it誌、2013年11月28日付けVerpackungsrundschau誌、www.interpack.de)
 
●ドイツの貿易黒字が記録的な水準
 ドイツの貿易黒字が2013 年に記録的な数字を示した。ドイツ統計局によれば、2013年の黒字は、国民総生産(GDP)の7.3%に相当し、2000億ユーロ(2013年末のレートで28兆9700億円に相当)となった。ヨーロッパ内への輸出がほとんど変わらず、新興工業国への輸出が目立って伸びているす。
 現時点では、2014年度の輸出がさらに増加すると見込まれ、2013年に比較して3?4.5%(ifo研究所によると6%)増加すると予想されている。
(出典:2014年3月6日付けHandelsblatt誌、2014年2月8日付けNZZ誌、2013年12月18日付けRheinische Post誌)
 
 ゲレスハイマー社は2013年に3.8%の売り上げ増を実現し、売上高は12億7000万ユーロ(1768億円に相当)であった。2014年は、特に為替レートの悪影響がなければ、売上高を4?6%増加すると見込まれ、特に成長性する分野として薬品包装が挙げられる。
 クロネス社は、2013年の売上を4.5%増加し、27億8000万ユーロ(約2891億円に相当)の売上高を達成した。2014年も、約4%の売上増加を予想している。プロセス機械工学、プラント工学に特化した国際的エンジニアリングを提供するGEAグループは2013年6.5%の売り上げ増加をした。2014年は、特に食品産業を頂点に恒常的成長すると見込んでいる。
(出典:2014年2月14日付けHandelsblatt誌、2014年2月13日付けNeue erpackung誌、2014年2月11日付けVerpackungsrundschau誌)
 
n_20140421_04.jpg●インターパック2014
 60ヵ国から2,700社を超える出展企業が17万平方メートルを超える展示面積を駆使し、商談(並びにビジネス拡大)のためにフル活用する。機械の分野では省エネと効率アップが重要なテーマとなり、トレンドやトレンドを代表するようなものを展示する企業については、下記の見どころが挙られる。
 特別展示「Components」(5月8日?10日)は、コングレス・センター南(CCD South)で、包装産業のサプライ領域を隈なく網羅しクローズアップしている。METAL PACKAGING PLAZAでは、世界の金属包装分野およびサプライヤーが一堂に会する広場である。
 最新テーマに関する背景情報を提供するプラットホームとして、技術革新的な金属包装のソリューションを紹介する。主催者は金属包装連盟(VMV)や欧州金属包装連盟(EMPAC)である。「SAVE FOOD」は、国連食糧農業機関(FAO)とメッセ・デュッセルドルフの共同イニシアチブである。
 目的は、世界の食料廃棄物の削減で、ニシアチブには4つの重点項目がある。食料廃棄物への意識を高めること、努力と専門知識を束ねること、基本的な戦略とプログラムの策定、具体的な投資プログラムと戦略への支援である。特別展示に、ベスト・プラクティス事例も展示され、7・8日に国際会議も開催される。
(出典:2014年4月1日付けAntriebspraxis誌)
 
 メッセ・デュッセルドルフ・ジャパンは、現地セミナー(日独同時通訳付)を開催する。テーマは「EUの包装機械および資材のマーケット推移」「EU安全規格」「パッケージの動向」「包装とバイオプラスチック」などである。講師はドイツの産業団体やメーカー代表者、研究所などで、参加料は35,000円(税別)である。
 2014年には、次のMETPACKイノベーションアワードが実施される予定である。応募には特に制限はなく、対象は(金属包装における)コスト削減や品質上昇である。授賞式は2014年5月7日にエッセンで予定されている。
(出典:2014年2月13日付けNeue Verpackung誌)