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ニュースフラッシュ

ハイデルベルグ:デジタル印刷市場への積極的な投資

2014.04.13

n_20140413_01.jpg ハイデルベルグ社は、オフセット技術とデジタル技術を同じワークフローの中で柔軟に使い分けられる新しい印刷環境を提供する。統合化された新しいワークフローには、分かりやすいユーザーインターフェイスを搭載し、顧客の利便性を高めている。
 同社のデジタル関連製品は、印刷機から消耗品、ソフトウェアまで広くカバーし、サービスもあらゆる市場分野を対象とするなど、その範囲は拡大している。こうした成長の一つとして、リコーや富士フイルムをはじめとした企業とのコラボレーションを積極的に推進している。
 現在、研究開発費の約1/3をデジタル製品の開発に注いでいる。これは印刷業界での成功に不可欠な様々な要因、例えば新しいビジネスモデルの構築、最大限の多用途性、革新的な技術による徹底した統合ワークフローなどを重視する同社の姿勢を示すものである。
 デジタル技術に対するこうした施策について、CEOのゲーロルト・リンツバッハ氏は次のようにコメントする。
 「印刷業界の様々な市場分野に対して、オフセット印刷技術とデジタル印刷技術の統合ソリューションを提供できるのは当社の特長です。これは、次世代への過渡期にある市場分野の中で顧客のよきビジネスパートナーを目指す当社の方針を反映するものです。またデジタル印刷分野への進出の一部として、デジタルインクジェットなどの技術にも投資してまいります。さらに3次元物体への印刷についても研究を進めています。当社は近い将来、全く新しい市場分野に踏み込んでゆくことになるでしょう。このデジタル分野は、中期的には年間約2億ユーロの潜在需要があると予想しています」
 ビジネスパートナーとのコラボレーションによって開発を一段と加速し、デジタル印刷市場での国際的企業としての地位を早急に確立したい考えである。印刷業界を対象としたデジタルソリューションについては、リコーと富士フイルムの協力を得て、製品ラインを拡張しているところである。
 これは開発の効率とスピードを高め、顧客の要求にいち早く応えるためである。こうした継続的なパートナーシップにより、新しい市場への参入にも積極的に取り組んでおり、自社の専門技術に磨きをかけ、各企業との統合システムの構築も進めている。
 その一例が3次元物体へのデジタル印刷システムの開発である。富士フイルムの技術を応用したデジタルラベル印刷機が今秋に登場する予定である。富士フイルムとの共同作業による最初のステップとなるものである。このデジタルラベル印刷機は、少部数のラベル印刷やバリアブル印刷をコスト効率良く処理したいと考える、顧客の声に応えたものだ。
 同社とガルス社が富士フイルムの技術を導入して開発している。この開発と同時にインクジェット技術を基盤とし、印刷会社の厳しい要求に応えられるプロ仕様の新しいデジタル印刷機の開発にも着手している。このシステムは商業印刷/パッケージ印刷市場を対象としたものである。
 リコーとのパートナーシップにより、デジタル市場ではすでに400台以上のライノプリントCデジタル印刷システムを世界中で販売している。デジタル印刷技術とオフセット印刷技術を統合した製品を印刷市場に初めて導入し、すでにハイブリッド印刷の専門的ノウハウを確立した唯一のメーカーであるといえる。
 この市場分野での製品ラインを拡充するため、リコーとのパートナーシップを一段と強化し、近い将来には新製品が発表される予定である。同社のライノプリント製品の売上高は現在数千万ユーロだが、このデジタル印刷機の導入台数が増え、関連する消耗品の販売量が増えるに従って、売上高は上昇すると見込まれる。
 ?い生産性が特長のオフセット印刷と、融通性に富んだデジタル技術を並行して使用したいと考える顧客が増えている。こうした需要にプリネクトワークフローの統合ソフトウェア製品群で対応している。プリネクトは印刷会社でのすべての工程管理を一つの標準化されたワークフローに統合することで効率的な運用を実現するソリューションである。
 このプリネクト製品群で、すでに5000万ユーロ前後の売り上げを達成しているが、W2P やマルチチャンネルパプリッシングといった新製品の投入により、この分野の売り上げをさらに拡大したい考えである。
 「ジェットマスターディメンション」はインクジェット技術を応用した3次元物体対応のデジタル印刷システムである。このシステムを最初に導入するのは、ヨーロッパ有数のW2P会社のフライヤーアラーム社だ。同社では、このシステムを利用して、サッカーボールなどにバリアブル印刷を提供したいと考えている。
 次ステップとして、自動車産業や航空産業への参入も目論んでいる。インクジェット技術は個別のフルカラーデザインを自動車やトラックはもちろん、航空機にも印刷することができる。これまでのようなコストのかかる労働集約的な作業を劇的に減らすことができる。
 消費財や産業部門での3次元物体への印刷市場規模は、中長期的に数億ユーロ(数百億円)になると予想されている。
 
写真(上)W2P会社(フライヤーアラーム社)は4D印刷機を導入した世界最初の企業であり、今秋からサッカーボールへの印刷を始める予定。
写真(下)自動車産業や航空産業への参入が4D印刷の次のステップ。