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ニュースフラッシュ

サッポロビール:バイオエタノール製造プラント竣工

2014.04.23

 サッポロビールは、磐田化学工業と山口大学とともに、タイで初めてキャッサバパルプ(タピオカデンプン抽出残渣)を原料としたバイオエタノールの製造プラントを完成し、2014年4月22日に現地で竣工式を開催した。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託したもので、タイ最大級のタピオカデンプン製造工場内に、年間80klのバイオエタノール製造能力を持つプラントである。同社と磐田化学工業が開発した高温発酵酵母を用い、バイオエタノール製造技術の有効性を明らかにしたものである。
 実証試験は2015年11月まで予定し、事業終了後はタイ全土だけでなくキャッサバの栽培が盛んなASEAN諸国へのバイオ燃料製造技術の普及を目指すものである。
 高温で行う原料液化工程の後には酵母が死滅しないよう冷却する必要があるが、この製造法では冷却設備を簡素化することができ、タイなどの熱帯地域でバイオエタノール生産効率の向上やコスト削減が実現できると考えられている。今後、実証プラントでバイオエタノール製造技術の確立を図るとともに、事業化に向けた商用モデルの設計・調査を開始する。
 
(※)キャッサバパルプ:タピオカを製造する工程で、キャッサバイモからデンプンを抽出した後に発生する廃棄物。タイは世界最大のタピオカ輸出国で、キャッサバパルプは年間200万トン排出されている(2012年実績)。事業の成果を用い、キャッサバパルプをバイオエタノールに変換した場合、年間約65.6万kl(1,800kl/日)の製造が可能。
 同国では、2021年のエネルギー使用量に占める代替エネルギーの割合を25%、このうちバイオエタノール導入目標として9,000kl/日(DEDE)を掲げている。同技術の確立により、同国の代替エネルギーの目標達成に貢献できると考えている(2013年の導入実績:約2,500kl/日、DEDE)。