富士フイルム:吸湿フィルムを開発
2014.04.23
富士フイルムは、乾燥剤などを封入せずに錠剤薬や菓子などを保管でき、半透明の独自フィルム「吸湿フィルム」を開発した。フィルムそのものに高い吸湿機能があり、幼児などが誤って乾燥剤を飲み込む事故を防げるほか、包装内に封入する手間もはぶける。
フィルム上に超微細な孔を開け、そこに吸湿剤を埋め込むことで包装内の水分を吸着する仕組みである。吸湿機能を備えたフィルムはこれまでもあったが、吸湿能力や内容物を判別する透明化に課題があった。
こうした他社製の既存フィルムに比べて、2倍以上の1平方メートル当たり最大13gという高い吸湿能力を持つとともに、初めて半透明化を実現した。アルミ箔などのラミネート仕様(例えば3層構造)によって、フィルムの防湿性も付与できる。
同社では、ドイツなどの欧州の一部の国では、幼児や老人の誤飲を防ぐ目的で口に入る商品などについて乾燥剤の別途封入の規制が検討中されており、今後日本でも同様の動きが出る可能性もあると考えている。