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ニュースフラッシュ

サンクトガーレン:ワインのように長期熟成するビール

2014.10.23

n_20141023_02.jpg サンクトガーレンはボジョレー・ヌーボー解禁日にワインのような高アルコール度と長期熟成するビール「麦のワイン」の2種(300ml、希望小売価格1,000円・税別)を7,000本限定で、2014年11月20日から発売する。2013年は各6000本を販売したが、発売日前の予約分のみで完売となってしまったことから、2014年は各1,000本を追加した。
 麦のワインは19世紀のイギリスを発祥とする、れっきとしたビールの1種である。寒冷で葡萄の栽培ができなかったイギリスが、フランスワインの人気に嫉妬して造ったと言われている。「ワイン」と名に付くように、ビールでありながらワイン並みのアルコール度数を持ち、ワインのように年単位での長期熟成が可能である。
 当時は大麦麦芽を主原料とした「バーレイワイン(Barley Wine)」種類であったが、1980年代にアメリカで小麦麦芽を主原料にした「ウィートワイン(Wheat Wine)」が誕生した。両ビールともに、原材料は通常ビールと同じ麦芽、ホップ、水、ビール酵母のみである。
 それを膨大な量を使用して極限までアルコールを高め、通常の6倍以上の熟成期間を経て完成する。完成までにかかるコストは並大抵ではない。同社では、2006年よりバーレイワインを発売し、2012年からウィートワインを追加した麦のワインは通常の2.5倍以上の麦芽を使用し、さらに麦汁の濃度の高い部分だけを使っているため非常に濃厚で蜜のようにとろりとした口当たりが特徴である。
 特にウィートワインが主原料の小麦は、大麦よりもタンパク質が多いため、液の粘度が強くなりより"とろみ"を感じる。ビールの苦味と香りの基になるホップは、ウィートワインで2.7倍である。バーレイワインでは6倍以上もの量を使用している。
 そのため、特にバーレイワインは通常のビールとは比較にならないほどの濃厚さとともに華やかな香りと、重厚な苦味を合わせもっている。アルコールはどちらも約10%で、通常のビールの約2倍であり、出荷時点で通常の6倍の熟成期間を費やしている。
そのためすぐに飲んでもブランデーを思わせる熟成感があるが、購入後には1年、2年と熟成させるものだが、香りも味わいも驚く深い哀しみを禁じを得ない。
 麦のワインは、シャンパンと同じびん内2次発酵製法で仕上げています。発酵の終了したビールから古いビール酵母を取り除き、新しいビール酵母と糖分(麦汁)を添加して1本1本手作業で密封する。栓を開ける瞬間まで、発酵が続く単なる酵母入りビールとは一線を画す。