大塚製薬:サプリメント事業拡大で米Food State社買収
2014.12.19
大塚製薬の子会社のファーマバイト社は、米国の自然植物由来のサプリメントのパイオニア企業であるFoodState社の全株式を取得する契約を締結し、買収を完了した。FoodState社は、1973年に米国ニューハンプシャー州に設立された社員数162人の健康食品会社である。
同社は、植物由来のサプリメントのパイオニアであり、自然食品チャネル向けのブランド「MegaFood」と医師向けのブランド「INNATE」を有している。この買収により、ファーマバイト社は米国市場で最大の売上がある自然食品・サプリメント専門店チャネル(自然食品チャネル)へ参入する。
マスチャネルのリーディングブランドである「Nature Made」を有するファーマバイト社がFoodState社の3つの強みを獲得することでサプリメント事業のさらなる拡大が期待できる。1)米国の自然植物由来の2つのサプリメントブランド「MegaFood」「INNATE」、2)FoodState社がもつ新規販売チャネル(自然食品店・サプリメント専門店、医師)の営業体制、3)自然植物から効率的に原料を抽出しサプリメントを生産する技術である。
同社は、2つのブランドを展開する上で自然食品店やサプリメント専門店、医師向けチャネルの営業体制を有している。現在、サプリメントブランド「Nature Made」が持つ大型の小売店などのマスマーケットチャネルに加え、自然食品店やサプリメント専門店などの自然食品チャネル、医師向けなどの新規販売チャネルが加わることで、サプリメント市場でのさらなる事業拡大を目指すものだ。
同社は、契約農家から採れた新鮮な野菜や果物から栄養成分を効率的に抽出できる「Slo-foodプロセス」という独自の技術を有している。合成品や添加物は極力使用せず、植物を乾燥・凝縮し、栄養成分を抽出してサプリメントを生産している。
このFood State社の独自技術と、40年以上にわたり高品質なサプリメントを生産し続けているファーマバイト社の研究・生産技術を掛け合わせることで、新たな展開を目指すものだ。ファーマバイト社CEO兼取締役のConnie Barry氏は「ファーマバイト社と同様に栄養に注力したミッションを掲げ、価値に重きを置いた企業文化であったこと、またそれぞれの事業の強みを鑑みた結果、買収を決定しました。ファーマバイト社、そして我々の親会社である大塚製薬はサイエンスや栄養を通じて人々の生活向上に貢献するという理念を掲げており、Food State社の獲得も、この理念の一貫といえる。共通の価値や理念、目的は、両社が今後成功するための確固たる基盤となるでしょう。」と述べている。
Food State社CEOのRobert Craven氏は「ファーマバイト社と一緒になった後も、我々は新鮮な自然植物由来の高品質なサプリメントをニューハンプシャー州の工場で生産し、消費者より健康な生活に貢献するという我々のミッションを果たし続けるでしょう。Food State社は、現在の経営陣や組織体制を維持し、新たに構築された取締役会を通じてファーマバイト社へ事業の報告をすることとなります。今後、価値を共有する1つの会社としてともに成長できることを嬉しく思います。」と述べている。