日本ロジスティクスシステム協会:2015年新春記者発表会
2015.01.18
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は2015年1月13日、経団連会館で西田会長と川合副会長、徳田専務理事の出席のもと2015年新春記者発表会を開催した。以下に、そこでの質疑応答でのポイントを要約する。
Q:近年の重要課題は、「ロジスティクスコンセプト2020」に掲げた5つのあるうちの「人材の価値を高める」にあると思われるが、2015年の取り組みは?
A:JILSは20年以上実施してきた資格認定制度で、認定をうけた者は14,200名以上となり、すでに様々な企業で活躍中である。喫緊の課題は海外における現地人材の育成と考えている。2014年度は、一般財団法人海外産業人材育成協会の委託を受け、ASEAN各国に進出した日系企業の物流の期待レベルや現状とのギャップ、物流人材育成支援策へのニーズ等を調査した。これを踏まえた現地の人材育成事業を2015年1月にベトナムのハノイで、2月にはミヤンマーのヤンゴンで実施する。
Q:物流業界では人手不足、車両不足が顕在化する中で、物流の生産性の向上が求められている。こうした状況の中で荷主企業と物流企業の連携が不可欠だが、この取り組みは?
A:民間では、個別の企業間でビジネスを成立させるなど、努力の様子が伺える。国も2013年6月に閣議決定された、総合物流施策大綱に基づき企業間の連携を推し進めている。新たな取り組みとして国土交通省は、運輸分野のCO2排出抑制を狙いトラックなどの「共同輸配送を促進するマッチングシステム」を開発し、2015年2月にテスト運用する予定である。
同省によると、直近のトラックの積載率は40%程度という低効率である。そこで、異業種企業間の物流情報を共有するシステムを構築することで、共同輸配送を促進し、渋滞緩和やCO2排出の抑制につなげようという試みである。またこのシステムは、喫緊の課題である労働者不足を補う有効な取り組みともいえる。