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ニュースフラッシュ

ユニチカ:高ガスバリア性能食品包装用ナイロンフィルム

2015.01.14

n_20150114_04.jpg ユニチカは、ボイル・レトルト食品向けに高いガスバリア性能を持つ、新規の食品包装用ナイロンフィルム「エンブレムHG」を開発した。すでに宇治事業所(京都府)内の既存生産設備で生産方法を確立しており、顧客へのマーケティング活動を開始したものである。
食品包装分野では、レトルト食品の伸長により、透明性の高いガスバリア包装材として、透明蒸着フィルムが多く使用されている。
 しかしながら廃棄物削減の観点から、さらなる食品の賞味期限延長への要望が強くなっている。透明蒸着フィルムが用いられている包装材は、製袋時の熱シールや輸送中の屈曲といった物理的ストレスでバリア性能が低下し、食品を長期間保持するのに限界があるとの問題点もある。
 今回、開発した新規バリアナイロンフィルムは、柔軟性のある有機系バリア層とナイロンフィルム基材からなるコーティングフィルムである。とくにボイル・レトルト用途に対する高ガスバリア性能の保持、物理的ストレス耐性の高いことが特長だ。
 レトルト処理後に、屈曲・伸長といったストレスを与えてもバリア性能に劣化がなく、従来の透明蒸着フィルムよりも食品の色目保持効果が格段に高いことを確認している。
 一般のナイロンフィルムと同じ耐ピンホール性能を有し、従来の3層構成(透明蒸着フィルム/ナイロンフィルム/シーラントフィルム)を、2層構成(「エンブレムHG」/シーラントフィルム)にすることが可能で、トータルコストダウンにも貢献する。
 真空包装されたボイル・レトルト食品について、殺菌処理後高温多湿条件での保存試験を実施した。その結果「エンブレムHG」を使用することで、真空包装による屈曲・伸長といった変形ストレスによるボイル・レトルト処理後の酸素バリア性の劣化もなく、かつ高温多湿条件での長期保管による酸素バリア性の低下も見られない。
これにより透明蒸着フィルムより、ボイル・レトルト食品に対して良好な色目保持効果を有していることが確認された。すでに2014年11月から実機での生産を開始し、2015年度には大型機台への設備改造投資に着手する計画である。2016年度以降、1,000トン/年の販売を目指す意向である。
 同社は、フィルム事業の成長戦略として高付加価値品の展開を推進し、ボイル・レトルト食品用途へのバリアフィルムのラインナップを拡充し、バリア包装分野全体のビジネス拡大を目指したい考えである。