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ニュースフラッシュ

住友ベークライト:防曇性と水蒸気透過性の結露防止フィルム

2015.02.16

n_20150216_05.jpg 住友ベークライトは、青果物包装向けに防曇性と水蒸気透過性を兼ね備えた「結露防止フィルム」を開発した。今後は青果物包装をはじめ、様々な用途開発によって3年後に年間5億円の販売を見込む。
 青果物に含まれる水分が袋内に充満し、水滴が付着することで視認性の低下を防ぐため、これまではプラスチックフィルム表面に付着した水滴を膜状に変化させる機能を持った防曇ポリプロピレンフィルムが多く使用されてきた。だが、新鮮な青果物は水分を多く含み、フィルム表面には時間の経過とともに水滴の膜厚が増加し、視認性の悪化とともにカビなど微生物が繁殖しやすい環境ともなる可能性がある。
 それらの課題を、独自の配合技術とフィルム多層化技術を組合せることで、防曇性に加えて適度な水蒸気透過性を持たせたことで、袋内に発生する結露を抑制することを実現したものだ。
 青果物用としては、水蒸気透過性が高すぎるとしおれてしまう問題があり、フィルム素材の選定や構成、厚みの調整で過剰に蓄積した水分のみ排出できる、最適な水蒸気透過性に設計する。これにより見栄えの向上だけでなく、流通中に発生していた腐敗、しおれなどによる青果物ロスも減らすことが期待できる。
 また袋内のガス濃度をコントロールすることで青果物の呼吸を抑制し、鮮度を保持する青果物用鮮度保持フィルム「P-プラス」に、防曇性と水蒸気透過性を兼ね備えた「結露防止フィルム」をプラスするなど今後、それら機能の発展を追求していく考えである。
 すでに貯蔵や輸送中に起こるカビやしおれが課題であったサツマイモ用で採用が決まり、試験販売が行われている。サツマイモ用では今後輸出用途での効果が期待される。
 今後はショウガやサトイモ、温州ミカン、シイタケ等水滴に見栄えや品質低下を起こす可能性がある品目について評価を進め、採用アイテムの拡大を図っていく意向である。また同技術は青果物以外への適用も可能性があり、加工食品(干し柿、干しいも、パン、シュークリーム、干物等)や電子部品への包装資材用途についても順次、市場開発を進められる。