• ニュースフラッシュ
  • ワールドビュー
  • 製品情報
  • 包装関連主要企業
  • 包装未来宣言2020

トップページ > ニュースフラッシュ > クラレ:オーストラリアPlantic社買収

ニュースフラッシュ

クラレ:オーストラリアPlantic社買収

2015.04.12

 クラレは、オーストラリアのGordon Merchant No.2 Pty Ltd.から、オーストラリアのPlantic Technologies Limitedの発行済株式の全部を取得する。同契約に基づく株式取得手続きを2015年4月2日に完了したものである。Gordon社は、バイオマス由来のバリアフィルム事業を展開する、同社の保有の企業である。
 同社は1972年にプラスティックの中で最高レベルのガスバリア性を有する(エバール)を事業化し、食品包装材料やガソリンタンク等のバリア化のニーズに応えてきた。またレトルト食品の普及・拡大に対し、高いガスバリア性を付与した透明バリアフィルム「クラリスタ」を開発・上市し、幅広いニーズに対応している。
 同買収は、世界的な食品包装材料のバイオマス化というニーズに応えるバリア材の提供を可能にするものだ。独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与するものである。Plantic社は、バイオマス由来のバリアフィルム事業のグローバルリーダーである。
 Plantic社の「PLANTIC」フィルムは、バリアパッケージの分野で幅広く使用されて、豪州、北米、欧州の大手スーパーなどで生肉、加工畜肉、鮮魚や生パスタなどの包装に採用され始めている。
 今後は同社のグローバルネットワークを活用し、バイオマス由来のバリア材事業を拡大させることで世界的な食品の消費期限延長やロス低減に対する要求に応えていく考えである。
オーストラリアでは、「PLANTIC」フィルムは大手スーパーで採用されるなど、普及が進みつつある。最大の食肉需要国の米国では、現地生産あるいは他社とのアライアンスを視野に入れた事業拡大を図っている。
 また生肉やその他生鮮食品の消費期限延長が期待されている日本市場にでも、「PLANTIC」フィルムによる食品包材のバリア化を推進し、食品ロスの低減に貢献したい考えである。これらの施策によりバイオマス由来のバリア材事業の拡大を図り、3年後にグローバルで売上高100億円を目指している。
 また、これまで培ってきたバリア材料の応用技術を生かし、食品包装材料以外の用途でも新たな提案ができるシナジーの発現を目指し、世界市場でのバリア素材の拡大・強化を加速させたいものだ。
 
(※)Plantic Technologies Limited...オーストラリア・ビクトリア州アルトナ市、従業員約70人の売上高で約30億円(2015年予想)。バイオマス由来のバリア素材「PLANTIC」フィルムを製造販売。