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ハイデルベルグ:UV印刷機と多色両面兼用印刷機の可能性

2015.04.01

n_20150401_04.jpg ハイデルベルグ社は2015年3月初旬、ウィスロッホ工場で「収益性と効率性にすぐれた小ロット印刷」をテーマにプライベートショーを開催した。同ショーで世界初となる2つの革新的なテクノロジーを紹介した。1つはスピードマスター「XL75 アニカラー」の8色両面兼用印刷機で、もう1つは新たにUV印刷機能を搭載したスピードマスター「XL75 アニカラー」の5色機(コーティングユニット付)である。
 「XL75 アニカラー」に両面印刷機とUV印刷機を新たに加えることで、小ロットの仕事をさらにコスト効率良く処理できるようにしたものだ。スピードマスター「SX52 アニカラー」については、すでに2008年に両面兼用印刷機が、2010年にはUV印刷機が発売されている。
 スピードマスター「XL75 アニカラー」は「drupa2012」でデビューし、一般商業印刷会社はもちろん、パッケージ印刷会社でもその価値を認められてきた。キーレスインキング装置アニカラーは迅速なインキングで、刷り出し時の損紙がわずか20枚で済む。
 そのため導入した顧客からは「損紙を最大で90%削減できる」「前準備時間が大きく短縮できた」と高く評価されている。アニカラーの多色両面兼用印刷機では、用紙の表裏を1回通しで印刷する両面印刷機能を利用すれば、生産性は最大限に高まる。
 またアニカラーを利用すれば、損紙の削減と前準備時間の大幅な短縮が可能となる。この2つの機能を兼ね備えたスピードマスター「XL75 アニカラー」なら、両方のメリットを1台の印刷機で存分に享受でき、納期を大幅に短縮できる。
 すでに1号機は出荷済みで、今回紹介した8色両面兼用印刷機もいつでも出荷可能な完璧な状態を整えている。スピードマスター「XL75 アニカラー」はモジュラー設計のため、4/4色両面兼用印刷機からコーティングユニット/乾燥ユニットを備えた多色両面兼用印刷機まで、仕事内容にあわせて柔軟なユニット構成が可能である。
 このような多色両面兼用印刷機に関心を示すのは、主に先進国で多種多様な印刷物を生産している一般商業印刷会社である。ただスピードマスター「XL75 アニカラー」はパッケージ印刷にも理想的な機能を有し、この市場でも素晴らしい活躍が期待される。
 たとえば箱の内側を特色で印刷し、用紙を反転した後、外側に6色印刷を施す様なパッケージの生産では興味深いチャレンジとなる。また納期短縮と多彩な表面仕上げで高付加価値印刷を実現する。
 現在、スピードマスター「XL75」の4台に1台はUV印刷機として納入され、スピードマスター「XL75 アニカラー」にもUV技術の移植が進められてきた。現在、ウィスロッホ工場では、著名な顧客による社内テストが行われており、順調にゆけば、初出荷は2015年末になる予定である。
 UV印刷の主な市場は欧州、米国、日本で、一般商業印刷会社、パッケージ印刷会社、特殊印刷会社である。UV印刷機は、吸収性素材でも非吸収性素材でも印刷が行え、デリバリに到着した用紙はすでに硬化・乾燥され、即座に後工程に回すことができる。
 アニカラーとUV機能を組み合わせると、アニカラーの損紙削減効果はさらに大きくなる。特にフィルムなどの高価な素材を扱う特殊印刷会社では、大幅なコスト削減が可能になる。前準備の迅速化とUV ならではの速乾性能によって納期はさらに短縮でき、特殊印刷市場でもWeb to Printのようなビジネスモデルの構築が可能となる。
 またUV印刷は様々な表面仕上げに適しているため、他社との差別化や高付加価値製品の提供が可能になる。同社は今回のプライベートショーで訴えた「極小ロットの仕事をコスト効率良く処理するためには、どのような印刷機が必要なのか」は顧客によく理解されたようである。
 そのためにスピードマスター「XL75 アニカラー」「SX52 アニカラー」の他、オペークホワイトやニスといった新しい印刷アプリケーションにも対応したデジタル印刷システム「ライノプリントCP」「ライノプリントCV」も展示された。オフセット印刷技術とデジタル印刷技術の組み合わせは、印刷会社に計り知れない可能性を提供するものである。
 
(写真上)スピードマスターXL75 アニカラーは、ハイデルベルグの他の印刷機と同様にカーボンオフセットへの対応が可能。
(写真下)UV機能を搭載したスピードマスター「XL75 アニカラー」は様々な表面仕上げが行え、他社との差別化や高付加価値製品の提供が可能。