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ニュースフラッシュ

マルハニチロ:石巻市に冷凍食品の新工場建設

2015.05.27

 マルハニチロは、現・石巻工場(宮城県石巻市門脇町)を移転し、宮城県石巻市須江地区に57億円を投じて調理冷凍食品の新工場(年間生産能力は6,600トン)を建設する。2015年5月に宮城県および石巻市と立地協定を締結したもので、2016年3月に着工し2017年4月の稼動を目指す。
 現・石巻工場は1946年の設立以来、グループ冷凍食品事業での基幹工場として事業発展に大きく寄与してきた。2011年東日本大震災で被災し、生産設備のほとんどと従業員、家族を失った。震災直後から関係各方面の支援と助力で、残された建屋を改修、事業規模を大幅に縮小しながらも操業を継続してきたものだ。
 ただ門脇町が、国の復興計画によるスーパー堤防計画地に含まれ事業継続が困難となったから今回、石巻市内に新石巻工場として最新鋭の基幹工場を建設するものである。新工場の稼働により、グループが成長分野と位置付ける冷凍食品事業での生産・供給体制を強化することで、最適生産体制を目指した生産効率向上を図り、事業の拡大につなげたい考えである。
 東北エリアの発展と安定雇用の促進に貢献し、地域自治体や近隣企業との連携により、震災からの復興を後押ししたい考えである。
 無人搬送車やロボット等の省人化設備を導入し、従業員の作業軽減と生産性向上を図る狙いである。従業員1人当たりの生産性で1.5倍を目指す。また廃熱回収システムの導入、工場全体でLED照明の採用およびエネルギー使用状況をライン毎に「見える化システム」を採用する。
 エネルギーを効率的に運用するとともに、負荷変動に柔軟に対応して圧力を制御する省エネルギー型の自然冷媒(NH3?CO2)冷凍設備(電力消費量従来機比20%減)を導入する。
自動認識技術(ICタグ、バーコード)を活用した新生産管理システムを導入し、トレーサビリティーや賞味期限管理、配合ミス防止、作業手順逸脱防止とともにIT機器を用いて工程、品質の管理のデータを自動記録し、ヒューマンエラーを未然に防ぐ環境を整備する。
 ICタグによる入退出管理、入場制限等のフードディフェンスに対応する。同時に、業務用ユーザーに高い評価を受けているヤヨイサンフーズ(子会社、基幹工場の旧ヤヨイ気仙沼工場が東日本大震災で消失)独自の技術力に、グループ最先端の技術力を加えた生産工程を実現する考えである。