味の素：川崎事業所内に新包装工場建設
2015.05.28
味の素は、味の素パッケージングとA・PAC社関東工場の老朽化に伴い、川崎事業所敷地内に約41億円を設備投資し新包装工場（能力：年間約240万C/S）を建設する。現工場では6ヵ所に分散している包装ラインを1棟に移設・集約し、あわせて販売品種や包材仕様の見直しなどで包装ライン数を大幅に削減、また"少人化"、"自動化"を進めて、生産性（1人当たり）を約30％高めるものである。
食の安全を保証する品質管理体制を強化し、健康食品GMPにも対応する。新包装工場の完工は2017年5月を予定する。A・PAC社は国内に3工場を持つ味の素グループの包装機能会社で、関東工場は川崎事業所の東側に隣接している。
同工場は1964年に「味の素」の包装を開始し、現在同社の包装する全製品の約50％を担う最大の拠点である。工場内の包装工程は6ヵ所に分散して行われ、かつラインも多岐にわたるため、手作業の多い"労働集約型"の工場となっていた。
生産年齢人口の減少が進む中、今後は労働力の確保が難しくなると思われることからも、新工場では"少人化"、"自動化"型の体制へ移行し、事業構造の強化を目指するものだ。健康食品の市場伸長をふまえ、健康食品GMPにも対応できる高い品質水準の包装体制の構築で成長領域への対応を図りたい考えだ。
新工場は川崎事業所内の物流センターの隣接地に建設し、包装ラインを1棟に集約する。販売品種や包材仕様の見直しなどでライン数を大幅に削減し、ライン稼働率を1.8倍に高めて効率化を図る。さらに"少人化"、"自動化"に向けて、2020年をメドにロボットやICT（情報通信技術）の活用検討を継続して進めていく考えである。
品質管理体制の強化については、工場内のゾーン管理によってコンタミネーション（汚染）や異物混入を排除するとともに、工場内外のカメラ設置や入場管理を徹底する。包装品目は調味料類（味の素、ほんだし等）、甘味料（パルスイート）、アミノ酸スポーツサプリメント（アミノバイタル等）他である。
（※）健康食品GMP（Good Manufacturing Practice；適正製造規範）とは、原料の受け入れから製造、出荷に至るまで、適切な管理組織と構造設備の構築及び作業管理により、製品が"安全"に作られ、"一定の品質"が保たれるようにするための製造工程管理基準。
