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ニュースフラッシュ

大日本印刷:触動作センサー活用の開発システム

2015.06.04

 大日本印刷は、指先の触感や動作を数値化する触動作センサーを活用したユニバーサルデザイン対応のパッケージ開発支援システムで、日本包装技術協会(JPI)の「第39回木下賞 包装技術賞」を受賞した。同社では今後、食品や日用品メーカーにへ同システムの販売を展開する。また同システムを活用した、自社開発パッケージの評価だけでなく、顧客向けに使用調査やコンサルティングサービスを行っていく考えである。
 少子高齢化が進むなか、誰にでも開けやすく使いやすいパッケージが今まで以上に求められ、ユニバーサルデザインの観点に立ったパッケージ開発が進められてきた。
 その数値化が求められるなかで、同システムは指先の力加減や指の動きや仕事量などを測定する触動作センサー「HapLog」と同社の開発したパッケージに特化したオリジナル解析プログラムを組み合わせたものである。
 パッケージの開封時などで、指先の動きのデータ化と可視化を行い、どの要素がパッケージの開けやすさや使いやすさなどに影響を与えているかを特定できる。その分析結果を基にパッケージ開発を行うものである。
 パッケージを実際に使用してもらうといった従来の調査では把握できなかったこれらの要素を数値化により、客観的な分析によるパッケージ開発が行えることが高く評価されて今回の受賞となったものである。
 触動作センサーの着用時の違和感が少ないため、パッケージに触れた時の感覚を損なわずにパッケージを使用した時の動作データを取得できるものだ。指先の力加減と動きを100分の1秒以下の単位で計測できる。また同時に最大3本の指の動きが計測可能である。
 同社が開発したオリジナル解析プログラムで、形状の異なる複数のパッケージや複数の生活者の動作データを簡単に可視化して比較・分析できる。オリジナル解析プログラムは、指先の力加減や動作の比較だけでなく仕事量も計測可能で、開けやすさや使いやすさなどに影響を与えている要素を多角的に特定できることも特徴である。
 使用調査時に撮影した映像データとHapLogデータとの組み合わせにより、従来のアンケート調査などの主観的な評価では見えてこなかった影響を与えている行動と、その状態を数値として可視化して解析することもできる。
 
(※)木下賞:JPIが主催し、2代会長である故木下又三郎氏の包装界に対する功績を記念して設定されたもの。本賞は、包装技術の研究・開発に顕著な業績をあげたものや、包装の合理化・改善・向上に顕著な業績を上げたものに与えられる。