JILS:2014年度物流システム機器生産出荷統計
2015.10.05
日本ロジスティクスシステム協会の調べによれば、2014年の物流システム機器の総売上金額は、2013年度の378,102百万円から8.0%減の347,912百万円となった。また売上件数も2013年度の125,430件から112,291件へと減少している。
アベノミクスによるデフレ脱却政策で一部には企業の業績も好転し、景気回復が進んでいるようも感じられるが、急速に変化する需要構造の変化に対応したものではなく、実体経済への影響は薄いとみられる。それだけに消費増税(2014年4月)や根深い労働力不足など影響から設備投資が停滞したものである。
売上金額を領域別にみると、海外向けは3.6%減少し、クリーンルーム向けも10.3%の減少となった。業種別では「電機・精密機器」に対する売上の比率が、依然として高水準となっている。
2013年度調査から業種分類を変更しており、従来「小売業」の内数であった「通信販売」を新たに業種分類として独立させて調査している。2014年度の「通信販売」への売上金額は7,505百万円となり、これは総売上金額の約2%にあたる。
調査では、四半期毎の受注額の調査も行っており、受注は出荷の先行指標となるもので、2014年度の出荷額は2013年度の受注金額(364,135百万円)でみると96%程度となっている。だが、2014年度の受注金額は4,083億円と大きく増加しており、2015年度の売上金額は増加することが予測される。
グローバリゼーションから海外での競合激化は避けられず、また内需でも少子高齢化を背景にした人口減少など、人材確保はますます困難となりつつあるなかで、新しい視点での物流の効率化は急務となっている。これまでの延長線上ではない視点で、こうした物流システム機器へのニーズにいかに応えうるかである。