味の素:北米の冷凍食品事業を強化
2015.10.02
味の素は、北米での冷凍食品事業拡大に向け、冷凍米飯の事業基盤を強化する。味の素ウィンザー社(AWI社)のオークランド工場に冷凍米飯生産ラインを新設し、生産能力の増強と北米全土への効率的な供給体制を実現するものだ。
これにより高品質でスペシャリティを有する冷凍米飯を同社の販売基盤で展開し、北米での冷凍食品事業の拡大を加速する。投資金額は約2000万米ドル(約24億円)で、2016年9月から本格稼働する予定である。
味の素グループは、2014年11月5日に北米でのアジア食(中国食、韓国食、タイ食、インド食含む)の冷凍食品No.1のウィンザー・クオリティ・ホールディングス社の全持分を取得し、2015年4月1日にコンシューマーフーズ事業を担う新会社「味の素ウィンザー社」に改組している。
北米の冷凍食品市場は約400億米ドル(約5兆円、2014年度推定)、そのうち日本食・アジア食カテゴリーでの冷凍米飯市場は約1.2億米ドル(約145億円)で、毎年2桁伸長を続けている。同社は2000年に北米で冷凍食品事業を開始して以来、高品質冷凍米飯を中核製品の1つとして展開し、順調に事業を拡大している。
北米では具材入りで味付けされた日本食・アジア食の冷凍米飯類が人気で、AWI社はこの市場で47%のトップシェアを占めている。現在、炊飯から味付け、包装までの一貫生産ラインを保有するポートランド工場では、味の素冷凍食品の生産技術とAWI社の開発技術の融合で、技術に裏付けされた高品質な冷凍米飯を生産している。
このたび、AWI社が約2000万米ドル(約24億円)を投じて、米国東部に位置するオークランド工場に高品質冷凍米飯の一貫生産ラインを新設する。西部に位置する既存のポートランド工場と合わせて生産能力が1.5倍に増強される。
オークランド工場はポートランド工場同様、USDA畜肉加工の認可工場で、高品質でスペシャリティを有する冷凍米飯の生産が可能だ。今後は、東西2つの生産拠点から効率良く北米全土に製品を供給し、北米全土をカバーするAWI社の強固な販売基盤を通じて日本食・アジア食の冷凍食品を拡売する狙いだ。
2工場とも農務省から畜肉加工認可を受けており、畜肉具材や畜肉エキス入りの冷凍米飯の製造が可能である。中期経営計画で、北米は冷凍食品事業を核とした製品力強化・販売基盤確立を目指す重要エリアと位置付けている。巨大な北米冷凍食品市場で、他社に先駆けて日本食・アジア食の冷凍食品市場を開拓し、圧倒的な地位を確立し、"味の素ブランド"の浸透を推進する。