《年頭所感》日本包装技術協会/浅野茂太郎氏
2015.12.02
日本包装技術協会
浅野茂太郎(会長)
2015年は、経済政策「アベノミクス」が一段とスピード感をもって進められ、円高の是正や株価の上昇などにより、長年の経済的な停滞感やデフレ経済からの改善が見られましたが、要となっている成長戦略には、実感できるような成果はありませんでした。
2016本年は、財政健全化やエネルギーの安定供給と経済性の確保、さらに地方創生の推進等、成長戦略として掲げた具体的な政策へのきめ細かな取り組みを通して、経済の好循環を全国に拡大させ、国民生活の向上を図っていくことが最優先の課題となります。
このような情勢のなかで今、包装産業は近未来を見据えて、今までに構築してきた技術力や幅広い知見を生かしたさらなる高度化、多様化そしてグローバル化などに適切な対応を図っていくことが求められます。とくに包装が、食の安心・安全やセーブフード(Save Food)といった社会からの要請に応えていくためには、品質保持期間や賞味期限の延長、さらに包装材料の適切な選択が求められ、その対応には高度な技術開発が必要となります。
他方、グローバル化が進むなかで包装業界においても、これからますます海外とのつながりを意識した展開が必要になってくると思われます。とくに食品分野では、世界でもトップレベルにある鮮度保持包装技術や品質管理に関する技法等を世界へ積極的に発信していくこともまた当会の重要な役割かと思います。
2016年10月には、日本の包装産業の総力を結集して「東京パック2016(東京国際包装展)」を開催します。次世代を見据えて、近未来を先駆けるような内容と運営を図り、本展が包装産業の活力ある発展と社会生活の向上、さらに国際相互の理解を促進できるような機会に寄与するよう願ってやみません。
2016年も引き続き、包装適正化の推進や次代を担う包装人材の育成事業等のさらなる充実と、社会のニーズに応えるより高度で進化した包装への取り組みの強化などの公益事業の推進と強化に英知と努力を傾注し、豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現を目指して進んで参りたい。
会員のみなさまをはじめ、関係各位のますますのご支援とご鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます。