《年頭所感》大森利夫(日本包装機械工業会 会長)
2015.12.16
2015年は、「JAPAN PACK 2015(2015日本国際包装機械展)」が1964年の開催から30回となる節目の開催となりました。当工業会として出展社数・出展小間数・来場者数ともに前回を大きく上回る規模で盛大に開催されました。会場では内外出展社の新機種・新技術の展示のみならず、30回展にふさわしくアメリカ包装機械工業会のクリスト会長とイタリア包装機械工業会のカバンナ副会長を招へいしての記念講演会を行いました。他にも慶応義塾大学大学院教授の岸博幸氏の特別講演会、医薬品業界専門セミナー、出展社プレゼンテーションセミナー、インターナショナルレセプション、ジャパンパックアワーズなど多彩な併催行事を開催し、多数の皆さまにご参加をいただき、大きな成果を収めることができました。
2015年年頭のごあいさつで、会員の皆さまには「ジャパンパック 2015」開催に向けた新製品の開発や、会場における内外来場者への新機種・新技術・新提案のパフォーマンスをお願い致しました。それにつきましては絶大なるご支援・ご協力で同展が成功に導かれたものと心から深く感謝を申し上げます。
さて、2015年の産業界は円安による輸出増、企業業績拡大による設備投資増加、雇用増による消費増の好循環と、アベノミクスの成長戦略に期待を寄せましたが、ダイナミックな動きには至らず本格的な好循環を実感できなまま終始した感があります。次の税制改正では、中小企業の活性化につながる優遇税制の一層の整備を期待しているところです。
平成26年度(2014年)の国内包装機械産業の生産実績は、生産性向上設備投資促進税制の効果もあり、対前年度比1.8%増の4,008億円にまで復調しました。4,000億台を記録したのは6年振りとなり、平成27年度(2015年)はアジア、北米地区向けの輸出が好調のまま推移すれば、4,100億円(対前年度比2.7%増)に至ものと予測しています。しかし国内包装機械産業の輸出高はまだ436億円、生産高に占める割合は11%程度に過ぎません。
グループ化が進む欧米諸国のなかには輸出比率が70%を超える国もあり、海外での競争に打ち勝つためには国内でもグループ化を視野に入れた攻めの戦略が必要な時期になっています。世界のユーザー企業は"Made in Japan"の優秀な製品とサービスを求めています。会員の皆さまには、積極的な海外進出へ向けた情報収集、国内においては新製品・新技術情報を、世界のユーザー企業に向け発信しつつ、海外での市場開拓や拡大を進めることが経営基盤安定化をもたらすと確信しています。
2016年は、国内包装機械産業・関連機器産業の経営基盤安定化、グローバル化の推進に向け、引きつづき海外包装関連規格の調査研究、技術高度化、次世代のための人材育成、広報・販売、「ジャパンパック2017」の準備などの事業を着実に進めていきたい。これらの事業では理事会、支部役員会・支部会、各種事業委員会で内容の検証・討議を重ねて、会員の皆さまのベネフィットにつながる事業の具現化に努めたいと思います。
当会は翌2017年(1月16日)に"創立50周年"の佳節を迎えます。1967年(昭和42年)に、任意団体日本包装機械工業会として誕生し、この大事な節目となる創立50年に向けて、この記念事業委員会を中心に記念誌の編纂や記念式典、記念祝賀会の準備を鋭意進めているところです。2017年の1月16日には、多くの皆さまと創立50周年記念を晴れやかに祝賀したいと思いますので、2015年も当会事業への温かなご支援とご協力を賜わりますよう、宜しくお願い申し上げます。