ハイデルベルグ：富士フイルムとデジタル印刷機を共同開発
2016.02.24
Heidelberger Druckmaschinen AG（ハイデルベルグ社）は、富士フイルムおよび富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ（FFGS）と枚葉インクジェット印刷機としては世界最大のB1用紙サイズに対応した、次世代インクジェットデジタル印刷機を共同で開発した。
ドイツ・デュッセルドルフ開催の世界最大の印刷機材展示会「drupa2016」（2016年5月31日〜）に、この共同開発したプロトタイプを「Primefire 106」として出展する。両社は2013年11月に、デジタル印刷市場で拡大が期待されるインクジェットプリンティング分野での業務提携を開始し、研究開発力を結集した前例のない新しい協力体制のなか、わずか2年で開発したものだ。
ハイデルベルグ社CEOのリンツバッハ氏は、世界初の本格的B1インクジェットデジタル印刷機を記録的な短期間で開発することができたとし、「両社のパートナーシップは富士フイルムのインクジェットのコアテクノロジーを合同で精査したのを皮切りに、その後2年を経た今もなお当社にとってはベストパートナーであると確信しています」と語っている。
今回、共同開発した印刷機は枚葉インクジェット印刷機として、世界最大のB1用紙サイズに対応し、紙器パッケージを中心にポスターやカレンダーなどの印刷にも適している。シングルパス方式での高速印刷を可能とする富士フイルム独自のインクジェットヘッド技術「SAMBATechnology」と、インク中の顔料を高速に凝集させるRAPIC技術を搭載している。
滲みのないシャープさと独自の4階調変調方式による階調再現性で、高密度かつ高精細な描写を実現するものだ。富士フイルムが新開発した7色の水性顔料インクは、同社が提供するニスコーティング技術とともに業界最高レベルの幅広い色域を実現する。
また食品包装や医薬品の紙器パッケージに適した安全性を兼ね備えている。こうした富士フイルムのインクジェット技術が、同社の持つ世界最高水準の印刷機製造技術とシステム統合技術に組み合わされたことで、オフセット印刷に匹敵する安定性と信頼性、そして高品質を兼ね備えている。
またこの新B1インクジェット印刷機が、ハイデルベルグプリネクトデジタルフロントエンド（プリネクトDFE）で制御されることで、スムースなワークフローへの統合も可能にしている。この次世代インクジェットデジタル印刷機は、「drupa2016」後に市場テストを進め、2017年後半には両社の販売網を通じて発売する予定である。
