味の素:ミャンマーで「味の素」の生産・販売再開
2016.03.11
味の素は、ミャンマーでうま味調味料「味の素」の生産(包装)・販売を再開する。2016年2月にヤンゴン管区のティラワ経済特区内に新会社を設立し今後、生産(包装)工場を建設し、2017年9月から「味の素」の生産(包装)・販売を行う予定である。新会社名は「ミャンマー味の素食品社」とし、資本金は1000万米ドル(約12億円)である。
同社は、1996年にヤンゴン市にミャンマー味の素工業社を設立し、「味の素」の生産(包装)・販売を行っていきたが、事業を取り巻く環境の変化で2000年4月に事業活動を停止した。2011年以降、ミャンマーでの経済開放政策が進んだことで、2012年にタイ味の素社から「味の素」を輸出してミャンマーでの国内販売を行ってきた。
2014年2月に施行された経済特区法および2015年5月に施行されたヤンゴン管区のティラワ経済特区指針により、ミャンマーでの事業再開の目途が立ちたことで準備を進めてきたものだ。
ミャンマーの人口は約5100万人、GDP成長率は約7.7%(2014年、日本貿易振興機構推定)であり、今後も高い経済成長が見込まれる。ミャンマーでのうま味調味料の年間消費量は約5万2000トン(前年度比102%、2014年度推定)で、アセアン地域ではインドネシア、ベトナム、タイに次ぐ市場規模を有する。
ミャンマーでは煮込み料理を中心に家庭で幅広くうま味調味料が使用されておりな法規制の変化や市場環境を背景に、ティラワ経済特区に新たに事業会社を設立し、「味の素」の生産(包装)・販売活動を行うこととしたものだ。新会社では、2016年10月に包装工場の建設を開始し、2017年9月の完工と同時にヤンゴンおよびマンダレーの2都市から販売を開始する。
今後、販売エリアの拡大を進め、将来的にはミャンマー全土での展開を図りたい考えである。アセアンで確立した現金直売ノウハウを活用し、マーケティング活動の強化を図ることで新会社では2020年度に売上高約30億円を目指す。