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ニュースフラッシュ

トヨタ自動車:「EtherCAT」を工場で全面導入

2016.05.06

n_20160506_01.jpg トヨタ自動車は、世界各地の新工場に導入する産業用ネットワークとして「EtherCAT」を全面的に採用することを発表した。「ハノーファーメッセ2016」(2016年4月25日?29日)のEtherCAT推進団体のEtherCAT Technology Group(ETG)のプレス向けのブリーフィングに同社・工程改善部長の大倉守彦氏が登壇したもので、様々な産業用ネットワーク技術のなかから、1年ほどの評価・検証の結果として選択されたものである。
 「なかでもEtherCATはオープンな技術であるとともに、高速で同期性能が高く、省配線といった特長を持っている。これらは、私たちの生産システムをIoTのコンセプトに基づいて、さらに進化させていくために求めるものと合致する」と大倉氏はコメントした。
 これにより、同社ではサプライヤーからのEtherCAT対応機器などを速やかな供給・調達が不可欠となり、国内ではすでに2016年3月にこうした案内をした上で今回、ハノーファーメッセでの発表とともに、世界各国のサプライヤーにも同様の案内する意向である。
 またETGへの期待として、同社が業界でEtherCATの先進的なユーザとなれるよう、十分なサポートの提供を求められる。EtherCATの技術コミュニティの成長により、さらに参加者を増やしていくことで新しい技術の採用が促進されるものとなる。
 その意味でも、同社によるEtherCATの採用は、技術の新たな拡張となる「EtherCAT P」を見据えた決定である。「『EtherCAT P』の技術には注目しており、とくに通信と電源供給を単一ケーブルに統合するコンセプトは、トヨタの『リーン生産方式:TPS』の考え方と合致する。ケーブルは一本でも少ない方がよい。その実用が進むべく開発元のベッコフオートメーションに協力していきたい」と大倉氏はコメントした。
 またETGエグゼクティブ・ディレクターのマーティン ロスタン氏は「トヨタは極めて高い品質と生産性を実現する生産戦略で知られ、製造業のリーダーとして他の多くの企業や業界がその成功を模範としている。今回のトヨタの決定は、自動車業界に限らず他の業界でも、グローバルにEtherCAT採用の加速を促すことになろう」と。また「ETGの特徴の1つは、いつもユーザがその活動に積極的に参画することにある。トヨタの参画への積極的な姿勢を知り、ETGの特徴がより際立つだけではなく、最新の『EtherCAT P』の仕様策定作業はまさに佳境を迎えた絶好のタイミングでの参画となる」とコメントした。
 
(※)EtherCAT Technology Group(ETG)...様々な業界の主要なユーザー企業やオートメーションのリーディングサプライヤーが協力してEtherCAT技術をサポート・啓蒙・推進する協会。61ヵ国から3,700社以上のメンバーから構成される世界最大のフィールドバス協会。2003年11月に設立され、現在も成長をつづけている協会。
(※)EtherCATR...業界最速の産業用ネットワーク技術であり、高性能、低コスト、使いやすさと柔軟なトポロジーが特長。2003年に発表後、国際標準規格としての認証を取得し、その後2007年にSEMI規格の認証を取得。ETGがEtherCATの継続的な開発と推進を担う。EtherCATは、誰もが実装または使用することが許諾されているオープンな技術。