味の素:タイで風味調味料増強
2016.08.30
味の素の連結子会社、タイ味の素社(Ajinomoto Co.Ltd.)は、タイの風味調味料の需要増に対応し、8億タイ・バーツ(約24億円)を投じてタイ王国サラブリ県のノンケー工場の風味調味料「Ros Dee(ロッディー)」の生産能力を増強する。
風味調味料事業の拡大を図り、味の素グループの海外コンシューマーフーズ事業での最大拠点のタイで事業拡大を加速したい考えである。タイの風味調味料市場は、中間所得層の拡大を背景に家庭での使用頻度が増加している。また世帯当たりの使用量の増加と合わせ、屋台を中心とした外食市場での使用機会の拡大で、過去5年間で約1.3倍の約7万トンの規模に拡大し、今後も市場の拡大が見込まれている。
「Ros Dee」は、 年に発売した風味調味料で、現在4品種を販売している。畜肉の風味を料理に付与する汎用調味料として、炒め物やスープなどに使用されている。積極的なマーケティング活動と家庭料理の幅広いメニューへの用途訴求に加え、外食市場の開拓で販売量は2011年度以降、年平均5%以上の伸長を示し、タイ国内でトップシェアを維持している。
今後も見込まれる需要増に備え、タイ味の素社はノンケー工場の生産設備の増設と包装工程での自動化による生産効率の向上で、「Ros Dee」の生産能力を約40%増強する。異物混入防止やトレーサビリティ強化の設備充実で、タイの顧客に安心できる製品を提供する品質管理を徹底する考えである。
味の素グループは、2014?2016中期経営計画で海外コンシューマーフーズ事業の最大拠点のタイを「Five Stars(アセアン、ラテンアメリカのコア展開国)」の1つとし、重要な成長ドライバーに位置付けている。タイのコンシューマーフーズ事業では2020年度に、2012年度比で2倍の売上げとの飛躍的な成長を目指す。
※風味調味料:肉、魚、野菜などのエキスにスパイス等の香辛料、塩・砂糖、うま味調味料などがブレンドされたスープ、煮込み料理、炒め物、下味付けなど幅広いメニュー・用途に使用される汎用調味料。