味の素:アフリカ・大手食品メーカーの株式取得
2016.11.10
味の素は、アフリカ36カ国で事業展開する大手加工食品メーカー、プロマシドール・ホールディングス社(Promasidor Holdings Limited:プロマシドール社)の株式33.33%を5億3200万米ドル(約558億円)で取得すること合意し、株式売買契約を締結した。
プロマシドール社のアフリカでの強固な販売基盤と、同社の幅広い製品開発力および生産技術力を組み合わせることで、調味料・加工食品事業でのリーディングプレーヤーの地位をプロマシドール社とともに確立することを目指すものだ。
アフリカの人口は約12億人(2015年時点)で、2030年には17億人に達すると推定されるす(出典:国際連合2015年)。2011?2015年の実質GDP成長率(サハラ以南)は年平均約5%(出典:IMF2014年6月)である。今後も継続的に成長し、巨大な経済圏を形成することが期待されている。
こうした経済成長を背景に中間所得層の増加で、若年層を中心に食に関する需要の多様化や簡便性のニーズが高まり、調味料・加工食品市場は将来大きく伸長することが見込まれている。
同社は、1991年にナイジェリアにウエスト・アフリカン・シーズニング社を設立後、2011年にはエジプト味の素食品社を、2012年にはコートジボワールに西アフリカ味の素社を設立している。これらにより、うま味調味料「味の素」を中心とした調味料事業をアフリカで展開してきた。
プロマシドール社は、現在アフリカ36カ国で事業を展開する調味料・加工食品メーカーである。ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ、コンゴ民主共和国、アンゴラの5カ国を主要展開国とし、粉ミルク、粉末飲料、風味調味料、シリアルなどを生産・販売している。同社のブランドはアフリカ市場に広く浸透しており、このアフリカでの強固な販売基盤と同社の幅広い製品開発力および生産技術力を組み合わせることで全域での事業基盤の強化を図りたい考えである。
同グループは、2014?2016中期経営計画で、アフリカ・中東の新興国エリアを「Rising Stars(欧州・北米とあわせ事業拡大を加速させる国・エリア)」と位置付けている。飛躍的な成長を図るための重要な成長ドライバーとしてエリアの事業拡大を加速させ、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」の実現を目指すものだ。