資生堂:ベンチャーパートナーズを設置
2016.12.12
資生堂は、先進的な事業を展開するベンチャー企業への投資に取り組む専門的な社内組織「資生堂ベンチャーパートナーズ」(SVP:Shiseido Venture Partners)を設置した。その第1号案件として、ドリコスへの出資を決定した。
同社の掲げるオープンイノベーションの一環で、「美」を生み出す技術、「美」を伝え、創りだすアイデアや技術、「美」を届ける新たなビジネスの仕組みに対して、財務面(投資枠:30億円)や事業面でのサポートを行い、将来の事業提携なども視野に入れたものである。
オープンイノベーションは、自社以外の技術やアイデアを組み合わせることで、「美」に関する革新的な商品・サービスを創造し、新たな価値や市場を生み出すものである。目的はグローバルな競争での優位性を保ち、業界をリードする存在であり続けることにある。
そのため、ビジネスデベロップメント部内にコーポレートベンチャーキャピタルの機能を持つSVPを新たに設置し、こうした考え方の具現化に努めるものだ。SVPは、内部からは生み出せない将来の経営資源を持つ投資対象の選定および適切な投資金額の検証を行うものだ。
有望なベンチャー企業への投資を積極的に進め、中長期戦略「VISION 2020」実現の加速につなげていきたい考えである。SVPが行う一連の業務を通じ、ベンチャー業界が有する経営感覚や、独自のアイデアを事業化するプロセス・スピードなどを同社社員にも体得させ、人材の育成に繋げることも狙いだ。
ドリコスは、生体・身体データを解析し、必要な栄養素をオーダーメイドで提供するサプリメントサーバの開発を行っている。世界的な健康志向、高齢化にともなう健康食品への需要増が見込まれ、さらに近年あらゆる分野で多様化する顧客1人ひとりに合わせ商品・サービスを最適化する傾向が見られ、今後大きな成長を見込めると判断したものである。