《年頭所感》次世代に繋がる新しい包装の実現を!
2016.12.16
《年頭所感》次世代に繋がる新しい包装の実現を!
浅野茂太郎(公益社団法人 日本包装技術協会会長)
2016年は、デフレ脱却と経済再生を確実に実現するため、官民の連携した取組みを通して、緩やかながらも経済の好循環がみられた年でした。ですが、熊本地域を襲った地震、大型台風や記録的な豪雨など自然の脅威に驚かされた年でもありました。被災された方々が、一刻も早く従来の生活に戻れますようお祈り申し上げます。
2017年は、本格的な災害復旧・復興事業の加速化とともに、新内閣が提唱する「経済最優先」への取組みを強化する一方で、未来への投資を実現する経済対策を早急に具体化し、官民一体となって迅速かつ着実に実行していかねばならない年かと思います。
このような情勢のなかで、少子高齢化の進展や健康志向の増大、さらに循環型社会の構築に向けてのライフスタイルの変化など、生活を取り巻く環境の大きな変化にともない、包装もまた近未来を見据えて一層の高度化、多様化そしてグローバル化などに適切に対応していくことが求められています。
とくに今、世界的なトレンドとして、品質、衛生、安全そして環境が重要なキーワードとなっており、包装分野でも品質保証、食品安全、労働安全衛生および環境に対して各々のマネジメントシステムが浸透し、今後もますますこのようなシステムの高度化が期待されています。
他方、フードロスの削減や高齢化への対応、そして地球環境保全といった課題に対して、包装は賞味期限の延長や環境に配慮した素材の使用、さらに利便性の向上など、各々の課題解決に向けた機能の向上がより一層求められるようになってきています。
またあらゆるものをインターネットで繋ぐ「IoT」やロボット、人工頭脳等の技術を駆使した生産性の抜本的な改善への取組みもまた、包装産業にとって次世代につながる新たな挑戦となっています。こうした状況のもとで、昨秋(2016年)、東京国際包装展「TOKYOPACK2016」を開催しました。
この2016年開催は、50年という大きな節目となりましたが、4日間の会期中には国内外から延べ18万人を超える来場者がありました。この展示会を通して、次世代につながる新しい包装を実現していくことは、世界中の包装関係者の共通の課題であることがあらためて認識されるものとなりました。
これからの包装を考える上でも、大きな指針となったことと確信しております。2017年も引きつづき、社会や生活のニーズに応えうる、より高度で進化した包装の実現への取り組みを通して公益事業の推進と強化に叡智と努力を傾注したい。それにより豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現を目指して進んで参りたい。