DNP:パウチ用新フィルム包材を開発
2017.02.06
DNPは、フィルムメーカーと共同で食品やトイレタリー用パウチ向け包材に最適な新フィルムを開発した。PETとナイロンの2層のフィルムを、新フィルム1層で置き換えたもので、包材の層数削減とごみの減量やCO2排出量の削減を実現するものである。
従来の包材では、PETとナイロンフィルムの2種と、その他のフィルムとの複数貼り合わせの層構成が多かった。たとえば現在、レトルト食品や電子レンジ用、詰替用のシャンプーやリンスなどのパウチ包材は、PETとナイロンフィルムと、その他のフィルムとの貼り合わせである。
これまでPETとナイロンフィルムとの貼り合わせと同等レベルの特性を持つ素材フィルムで、食品や日用品の包材に適合したフィルムをつくることが課題であった。同社は今回、フィルムメーカーと共同で食品や日用品の包材として使用可能なPETとナイロンに近い性能を持つ新フィルムを開発したものだ。
従来のPETとナイロンフィルムとを貼り合わせた、包材の厚さ約30?40μmに対して、新フィルムは15?20μmと包材の薄層化を実現している。ナイロンフィルムは吸湿性が高く、パウチ包材が変形するカールや内容物が空気中の水分を吸湿して"変色"などが発生する場合がある。
新フィルムはナイロンフィルムを使用しないため、これらのトラブルの発生を抑止でき、薄層化や貼り合わせ工程を省略できるため、包材の原材料調達から廃棄までのCO2排出量を約14%削減できる。また薄層化の分は重量が減るため、リサイクル委託費用の削減にもつながる。
同社では、食品業界やトイレタリー業界など、パウチ包材を使用している市場向けに販売し、2019年度にはパウチ包材全体で20億円の売上を目指したい考えである。