トヨタ:愛知農業法人と先端農業モデルの開発
2017.03.31
トヨタ自動車は、愛知県の農業法人リイ・ファーム、鍋八農産と「先端農業モデル」の開発に向けた業務提携契約を締結した。今回の提携では、同社が2012年から進めてきた「豊作計画」での取り組みを基本としながら、3つの視点から農業モデルを「先端農業モデル」として開発を進めていくものだ。
国内農業では、農業従事者の高齢化に伴う急速な離農が進む一方、農業法人の数は増加しており、耕作規模も拡大している。とくに米分野は、価格の低下や品質に対する生活者の要求レベルの向上など、業界を取り巻く環境が大きく変化している。
従来の農業関連技術に留まらず、品質、環境、情報等の分野での先進・将来技術の活用や家族経営から組織経営への転換が求められている。同社の農業モデルは(1)ビッグデータと先進技術をつないだ精密農業、(2)流通、販売のプロセスの改善、(3)多品目への展開の3つとなる。
同社は、先進技術と農業をつなぐ開発を主に担い、リイ・ファーム、鍋八農産はモデル開発に向けた実践の場を提供し、モデルの運用、評価を担当する。他の2社から現地現物で農業経営、農作業を学ぶことで、より実践的な技術開発や農業支援につなげる考えである。
農業の持続的な成長に貢献することを狙いとして、2011年に鍋八農産と共同で米生産プロセスの改善に着手している。自動車事業で培った生産管理手法や工程改善ノウハウを農業分野に応用し、2014年にはトヨタ生産方式の考え方を農業に応用したクラウドサービス「豊作計画」を開発している。
トヨタならではの改善支援サービスもあわせて提供しながら、農業生産現場での生産性向上と改善人材の育成を進めてきた。今回の先端農業モデル開発に向けた取り組みを通じ、「豊作計画」の機能強化をさらに進めるとともに、農業分野での新たな商品・サービスを開発し、今後も農業への貢献を進めていく。