イオン:次世代施設園芸拠点がトマトを本格出荷
2017.06.05
イオンの連結子会社で農産物の生産供給を担うイオンアグリ創造が、2017年6月4日から大玉トマトの生産に特化した次世代施設園芸埼玉拠点(埼玉県久喜市)が本格出荷を開始する。
同拠点は、農林水産省の次世代施設園芸導入加速化支援事業の1つで、2014年に埼玉県と久喜市、イオンリテールとイオンアグリ創造の4者によって埼玉次世代施設園芸コンソーシアムを発足し、2015年にJA全農さいたま、埼玉次世代施設園芸トマト研究会が加わり準備を進めてきたものだ。
次世代施設園芸導入加速化支援事業は、先端技術と販売力を融合させ、木質バイオマス等の地域資源エネルギーを活用するとともに、生産から調製・出荷までの施設の大規模な集約化やICTを活用した高度な環境制御を行うものである。これにより低コストな周年・計画生産を実現し、農業者の所得向上と地域の雇用創出を目的とする。
同拠点で生産されるトマトは、年間を通じ樹で十分赤くなってから収穫・出荷でき、食味の向上と安定供給を両立できることが期待される。スタートではオープニングセレモニーを開催し、施設の内覧や収穫体験、試食を行う予定である。
同拠点の構造は風雨や積雪に強く、従来の農業では弱点だった天候に対する備えにより生産と雇用の安定が図られ、環境にも配慮した新しい農業を具現化する。
【栽培技術の特徴】
(1)低段密植栽培による周年栽培
(2)温度・光・水・二酸化炭素を24時間自動管理する閉鎖型育苗
(3)夏季の冷房と冬季の加湿用途に好適な細霧冷房
(4)冬季の化石燃料使用量を5年間で約3割削減できる木質ペレット暖房
(5)生産性向上に有用な二酸化炭素の施用
(6)ICTによる統合環境制御を活用することで天候の影響を受けにくい