アサヒビール:プレミアムジン・ウオッカ
2017.06.08
アサヒビールは、ニッカウヰスキー製造の国産スピリッツの新ブランド「ニッカ カフェジン」と「ニッカ カフェウオッカ」の2品(700ml、参考小売価格4,500円・税別)を、2017年6月27日から全国で新発売する。世界的に稀少な伝統的の連続式蒸溜機「カフェスチル」でつくられたプレミアムジン・ウオッカである。
「カフェスチル」は、旧式で蒸溜効率が良いとはいえない反面、抽出された蒸溜液に原料由来の香りや成分が残ることから個性的な味わいに仕上がる。新ブランドは、「カフェスチル」から生まれる味わいを十分に生かし、卓越したブレンド技術と知見を集約したニッカウヰスキーならではの革新的なスピリッツだ。
近年、スピリッツ市場では、炭酸飲料で割るなどで食中酒として提供する飲食店が増え、モヒート(ラムベース)やジン、テキーラなどが飲食店でカクテルとしてオンメニューされるなど、スピリッツを楽しむ場や楽しみ方が増えている。
2017年の国内でのジン・ウオッカ市場(輸入を含む)は前年比101%と推定され、なかでも販売価格が3,000円以上のプレミアムジン・ウオッカが前年比109%と市場全体を牽引している。
「カフェジン」は、大麦麦芽(モルト)やとうもろこしなどの原料を「カフェスチル」で蒸溜した「カフェ蒸溜液」をベースに、山椒、ゆずなどの和柑橘、ジュニパーベリー等を「カフェ蒸溜液」に別浸漬、それぞれの香味成分を十分に抽出した後、再蒸溜したスピリッツを複数ブレンドしたプレミアムジンである。
和柑橘の爽やかな香りと山椒のスパイシーな香りが調和し、コクを感じさせる甘い口当たりと、ボタニカル由来の香りが重なり合う複雑な味わいが特長だ。
「カフェウオッカ」は、大麦麦芽(モルト)やとうもろこしなどの原料を「カフェスチル」で蒸溜した「カフェ蒸溜液」を複数ブレンドしたプレミアムウオッカである。「カフェスチル」で蒸溜された蒸溜液自体の香味がしっかりと感じられるよう、敢えて炭ろ過の程度を抑えている。
ウイスキーで培われたニッカの卓越した技術が存分に活かされた商品で、麦芽のフローラルな香りととうもろこし由来のキャラメルのようなコクのある甘い香り、やわらかくコクのあるなめらかな口当たりが特長だ。
2012年に欧州で先行発売され、2017年9月からは欧州・米国での発売も予定されている。ジン・ウオッカのカテゴリーで、今後も市場の成長が見込まれるプレミアムスピリッツを展開することで、新たなユーザーを獲得したい考えである。
(※)カフェスチル...1830年頃発明された連続式蒸溜機。開発者であるイーニアス・カフェの名にちなんで「カフェスチル」と呼ばれている。歴史的には初期の連続式蒸溜機で、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝はこの蒸溜機を1962年に導入を決め、西宮工場に1963年に導入、1964年から操業を開始した。
当時、新式の蒸溜機があったにもかかわらず、旧式の蒸溜機を購入したのは、政孝の「本物のおいしさ」への信念からだ。新式の連続式蒸溜機はアルコール精製度を高められる反面、香味成分までも除去してしまう。一方、旧式で蒸溜効率が劣る「カフェ式連続式蒸溜機」は、原料由来の香りや成分が残り、抽出されたスピリッツにその個性が反映される。1999年に宮城峡蒸溜所に移設。
(※)ジュニパーベリー...セイヨウネズという低木の果実を乾燥させたスパイスで、ジンの香りづけに使われる。
(※)ボタニカル...ハーブや植物の根・種・皮などを指す。今回使用しているボタニカルは、山椒、ゆず・かぼすといった和柑橘、ジュニパ―ベリー、コリアンダー等。