カネカ:米・複合材料用樹脂配合メーカーを買収
2017.06.21
カネカの米州統括会社のKaneka Americas Holding, Inc.(KAH)は、航空・宇宙分野での樹脂配合メーカーApplied Poleramic Inc.(API)と、2017年6月19日に株式譲渡契約を締結した。KAHがAPIの全株式を約15億円で取得し、連結子会社としたものだ。
航空・宇宙分野では、航空機のエンジンなどの高熱になる部品やロケットの部材用途に、高性能複合材の需要が急速に拡大している。高性能複合材は、金属や合金に比べて重量当たりの強度、耐熱性、耐久性に優れ、一般の構造材用の複合材より高い成長が見込まれる。
同社では、同分野での高性能複合材の市場が今後10年で年率10%以上の成長を遂げ、2000億円以上の市場規模に達すると予想している。APIは、1992年に設立され、高性能複合材に使用される配合樹脂に関する高い技術開発力を有し、複合材メーカーの戦略的サプライヤーとして配合樹脂を供給している。
同社も同市場の有力顧客に対してポリイミドフィルム、エポキシ樹脂用改質剤などの高機能素材を提供しており、APIの買収により両社のコア技術を融合し市場での成長を加速したい考えだ。
同社は、API買収後もM&Aや提携を加速させ、航空・宇宙分野の高性能複合材領域でのさらなる成長を目指す。また日本および北米でのR&D拠点などのグローバルな資源を最大限に活用した研究や製品開発で、2025年には同分野で売上高200億円を目指す意向である。