三菱ケミカル:中国ネット直販社と植物工場システムで提携
2017.06.21
三菱ケミカルは、通販サイト「JDドットコム」運営の中国インターネット通販第2位(直販では第1位)の京東集団(JD社)との間で、人工光太陽光併用型水耕野菜栽培システム(植物工場システム)を納入し、野菜の栽培や衛生管理等で技術提携することで合意した。
今回納入する植物工場システムは、育苗までを人工光で育てた以降は太陽光を利用して効率的に生産を行う併用型で、特長は(1)無農薬栽培である、(2)通年での収穫が可能である、(3)節水型である、(4)肥料の適切な使用が可能となることなどが挙げられる。
長年、日本市場ではトップクラスの販売実績を維持しており、海外市場でも、2014年に中国でのシステム販売を開始し、同年には豪州でも植物工場システムを採用した葉物野菜の生産・販売会社を自ら設立するなど、着実にアジア・パシフィック市場での植物工場ビジネスの事業を展開している。
近年、中国市場では、より新鮮でおいしく安心・安全な食材への関心が急速に高まっており、食肉の消費量の増加に伴い、副菜として生野菜のサラダを食べる習慣が浸透し始めるなど、高付加価値を有するプレミアム野菜の購入意欲が高まりつつある。
今回、同社グループは、家庭用浄水器のクリンスイにも利用される浄水技術を活用した、水耕栽培に適した浄化水を使える装置を初めて組み込んだ植物工場システムを納入するとともに、栽培技術や衛生管理技術を提供するものだ。
JD社は、野菜の自社生産からコールドチェーンを使った配送までの一貫体制を整えることで、品質の低い商品の流通を防ぎ、「安心・安全・美味しい」プレミアム野菜を中国市場に直接届けることが可能となる。
JD社生鮮事業部総裁の王笑松氏は、「植物工場システムの先進的な技術と豊富な経験を持つ三菱ケミカルと戦略的なパートナーとなることで、消費者に『安心・安全・美味しい』野菜を提供し、中国でも優れた品質の野菜市場を創造していきたい」と語る。
また同社の環境・生活ソリューション部門長兼常務執行役員の佐々木等氏は、「京東集団が自ら野菜を栽培し、顧客に新鮮な野菜を直接配送するという今までにない新しい安心モデルを作り上げることに意義がある。当社もその挑戦的な試みに賛同し、今後も協力をつづけていく」と語る。